バッテリー交換作業 バッテリー交換作業

車検でバッテリーを交換する? しない? 交換すべき時期と理由を解説

バッテリーは車検のたびに交換すべきなのでしょうか? それとも必要ないのでしょうか? バッテリーの基礎知識や適切な交換のタイミング、選び方、メンテナンス方法など、バッテリーにまつわるお悩みにお答えします。

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車検とバッテリー交換のタイミング

バッテリーを交換しないと車検には通らないのでしょうか。ここではそんな疑問にお答えします。

バッテリー交換しないと車検に通らない?
車検の検査項目にはバッテリーの電圧をチェックすることは含まれません。つまりバッテリーが弱っているという理由から車検に通らないことはないのです。

ただし、バッテリーの固定が緩んでいたり脱落の恐れなどがあるときは車検にパスしません。
車検ごとにバッテリー交換をすすめられる理由とは?
バッテリーの消耗について車検に基準が定められていないのにもかかわらず車検ごとにバッテリー交換をすすめられるのはなぜでしょうか。

理由のひとつは、バッテリーの寿命は概ね2〜3年程度とされておりそのタイミングがちょうど車検と重なることが挙げられます。また、バッテリーはトラブルが発生してから交換するよりも予防整備として交換するのが望ましいとされるからです。
おすすめ交換時期

バッテリーとその役割とは?

バッテリーとは?
車に搭載されるバッテリーとは蓄電池のことであり、繰り返し充放電できる蓄電池と呼ばれるものです。
バッテリーの役割とは?
バッテリーの役割はエンジンの始動やヘッドライトの点灯、エアコンやパワーウィンドウ、カーナビやカーオーディオ、そして制御系の各種コンピューターに電力を供給することです。バッテリーなしには車は走行できないと言えます。
バッテリーの搭載位置は?
多くの車はエンジンルーム内にバッテリーを収納しています。一部に、シートの下やトランクルームなどに格納している車もあります。

バッテリーの種類

バッテリーにはさまざまな種類があります。最近ではハイブリッドカーやアイドリングストップ機能が付いている車専用のバッテリーなどもラインナップされています。

標準タイプのバッテリー
自動車に使われるもっとも一般的なバッテリーが鉛蓄電池です。極板に鉛を用いており、希硫酸を電解液として利用しています。ほとんどの乗用車は12V仕様となっており、一部の商用車などディーゼルエンジン車では24V仕様もあります。

メンテナンスフリーバッテリー

カーバッテリー
MFバッテリーとも呼ばれ、メンテナンスの頻度が少ないタイプのバッテリーです。標準タイプとの違いは主に密閉性の高い構造にあり、電解液である希硫酸が蒸発しにくくなっています。

「完全密閉型(シールドバッテリー、ドライバッテリー)」や「半密閉型(セミシールドバッテリー)」があります。

アイドリングストップに対応するバッテリー

アイドリングストップ車用のカーバッテリー
アイドリングストップ機能が付いている車のためのバッテリーです。

アイドリングストップ機能が付いているとエンジンを頻繁に再始動しなければならず、加えてエンジンが停止している間もエアコンやカーナビなどに電気を供給しなければなりません。バッテリーの負担が大きいため、高い耐久性に加えて急速に充電を回復するクイックチャージ性能に優れる設計になっています。

アイドリングストップ専用バッテリーを標準バッテリーに置き換えてしまうと、アイドリングストップが正しく機能しない、バッテリーの消耗が激しいといった症状が現れるので、必ず専用バッテリーを装着するようにします。

ハイブリッドカーのバッテリー

ハイブリッドカー専用のバッテリー
ハイブリッドカーには2種類のバッテリーが搭載されています。ひとつはモーターやエンジンを回す駆動のためのもので、リチウムイオンバッテリーやニッケル水素バッテリーが用いられています。

もうひとつはハイブリッドシステムそのものを起動する補機用バッテリーであり、一般的な車と同じように鉛蓄電池などが使われています。この補機用バッテリーもメンテナンスや交換が必要で、このバッテリーが上がってしまうと駆動用のリチウムイオンバッテリーが正常でも走行できなくなってしまいます。
リチウムイオンバッテリー
鉛電池をリチウムイオンバッテリーに置き換える、一種の電装系チューニングに利用されるものです。ガソリンエンジンを搭載するスポーツカーなどの軽量化といったメリットがあります。

バッテリーの選び方

バッテリーは性能、容量、サイズ、形状、そして規格や用途によって豊富なバリエーションがあります。交換に際してはお車に搭載されているのと同じ形式のバッテリーを選びます。

JIS規格による形式
国産車に一般的な標準バッテリーは「JIS」規格に基づいています。
形式例:55 B 24 R
55:性能を表します。この数値が大きくなるほど容量が大きくなります。
B:バッテリーケースの幅と高さを表しています。Bの場合は幅129mm、高さ203mmです。
24:バッテリーの長さを表します。この場合は24cmです。
R:側面から見て右側に端子があります。Lなら左側です。
ハイブリッド車補機用VRLA
トヨタ系ハイブリッド車などに搭載されるバッテリーです。VRLAは制御弁式バッテリーの意味で、発生したガスが外部に漏れない構造になっており車内に配置できるようになっています。
形式例:S 42 B 20 R
形式の最初に「S」の文字が加わっています。この「S」が「制御弁式バッテリー(VRLA)」を示しています。以降の表記はJIS規格の形式と共通ですが、標準バッテリーとの互換性はありません。
アイドリングストップ車用SBA
SBAは電池工業会によって定められたアイドリングストップ車用の規格です。
形式例:N-65 R
N:アルファベット一文字でケースのサイズを表します。Nは標準バッテリーのB24と同一寸法です。
65:性能のランクを表し、数字が大きほど大容量です。
R:標準バッテリーと同様に端子の位置を表します。
DIN規格による欧州車用(旧)
欧州車に搭載されるバッテリーはDIN規格によって定められています。
形式例:5 55-59
5:12V100Ah未満を表します。6の場合は12V100Ah以上を意味します。
55:容量を表します。
59:バッテリー固有のシリアル番号となっており、サイズや端子の位置を表します。
DIN規格による欧州車用(新)
形式例:EU-5 55-048
形式例:55 B 24 R
5:12V100Ah未満を表します。6の場合は12V100Ah以上を意味します。
55:容量を表します。
048:バッテリーの性能を電流値であるCCA(コールド・クランキング・アンペア)で表します。この場合は480Aとなっています。
EN規格による日本車用バッテリー
EN規格(欧州統一規格)はヨーロッパで作られた世界標準ともいえる規格で国産車でも採用例が増えています。JIS規格とEN規格に互換性はありません。
形式例:340 LN0
340:性能ランクを表します。
LN0:サイズを表します。

バッテリーの消耗を早めてしまう原因

バッテリーは使われ方によって寿命が左右されます。ここではバッテリーの消耗を早めてしまう原因について解説します。

短距離を走るケースが多い
バッテリーは充電と放電を常に繰り返しています。短距離ばかりの走行ではバッテリーが十分に充電されない傾向にあり、過放電になってしまいます。

渋滞する道路の走行が多い

道路を走行中の車
バッテリーを充電するのはオルタネーター(発電機)です。オルタネーターはベルトを介してエンジンによって駆動され発電するようになっています。

効率よく充電するためにはエンジンの回転数が2,000rpm以上必要とされ、アイドリング状態ではよくても現状維持で、充電を回復させるまでには至りません。

そのためエンジン回転数の上がらない渋滞ではバッテリーは放電気味になりがちです。
頻繁にエンジンをオン・オフする
エンジン始動はバッテリーの負荷が大きな行為です。そのため頻繁にエンジンのオン・オフを繰り返すとバッテリーの負荷が大きくなりがちです。
バッテリー上がり
バッテリー上がりの主な要因はライトの消し忘れ、停車中のエアコン稼働、運転頻度が少ない(自然放電)、バッテリーの寿命などです。JAFロードサービスの出動理由のワースト1は過去10年以上連続でバッテリー上がりとなっています。ライトの消し忘れなどに注意するとともに定期的な点検・メンテナンスが必要です。
寒冷地での使用
暑い場所や極端に寒い場所ではバッテリーの負担が大きいとされます。寒冷地仕様をオプション設定している車の中にはバッテリー容量をアップさせているものもあります。

バッテリーの電圧が低下すると発生するトラブル

バッテリーが弱って電圧が低下すると次のようなトラブルが発生する可能性があります。

エンジンが始動しにくくなる
キュルキュルとセルモーターが回り続ける時間が長くなかなかエンジンがかからない現象が現れます。
アイドリングストップしなくなる(アイドリングストップ車)
車を停止するとエンジンが停止するアイドリングストップ車では、バッテリーが弱ってくるとバッテリーの負荷軽減のためアイドリングストップ機能が作動しない症状が現れてきます。

バッテリーのメンテナンス

バッテリーは1ヶ月に1度程度、点検やメンテナンスをおこなうことで健全な状態を保ち寿命を長持ちさせることができます。ここでは具体的なメンテナンス方法をおさらいします。

外観をチェックする

まずバッテリーを固定している金具やターミナル(端子)にガタ付きがないか点検します。

また、ターミナルやケーブル類にサビや腐食のある場合はワイヤーブラシやサンドペーパーなどを使って綺麗に磨くようにします。
バッテリー液の比重をチェックする
バッテリー液は無色透明の希硫酸で、放電中に液が薄くなり充電中は濃くなる性質があります。ちょうど良い硫酸の濃さは37%とされており比重(水との比較)は20度のときに1.280とされています。

市販のバッテリーチェッカーを使うとこの比重を計測することができ、比重計の目盛が1.26~1.28であれば適切な状態であり1.24未満になると充電する(濃くする)必要があります(シールドタイプのバッテリーは計測できません)。

硫酸は腐食性が強くて金属を酸化させるだけでなく肌に触れると皮膚炎の原因になりますので、万一、手に触れた場合は速やかに多量の水で洗い流しましょう。
バッテリー液の点検と補充
標準タイプのバッテリーはバッテリー液が電気分解によって蒸発し外部へ漏れるため、バッテリーケースにはバッテリー液の量を示すUPPER LEVEL(最高液面積)とLOWER LEVEL(最低液面積)の表示があります。このレベルの間にバッテリー液があれば正常、LOWER LEVEL付近であればバッテリー液を補充します。

12Vタイプのバッテリーでは電槽が6つに仕切られていますので、すべての槽を点検・補充します。補充には必ずバッテリー補充液(精製水)を用います。またメンテナンスフリーバッテリーではインジケーターでバッテリーの比重や液量を確認することができます。
バッテリーを充電する
バッテリーの充電方法は適度な速度で走行するほかにも充電器を使って充電する方法があり、普通充電と急速充電をシチュエーションに応じて使い分けます。
バッテリーをほぼ満充電にする「普通充電」
バッテリー容量の10%程度の電流を与えることでほぼ100%にまで充電状態を回復させる方法です。もともとの充電状態や容量にもよりますが所要時間はおよそ12時間程度かかります。
エンジンを始動させるための応急措置的な「急速充電」
バッテリーが上がってしまった場合など、急速充電器で応急処置的にバッテリーを回復させるものです。所要時間は30分未満です。急速充電はバッテリーを痛めてしまう可能性があり、どちらかと言えばメンテナンスではなくあくまで緊急処置としての充電となります。

長期間乗らないときはバッテリーを取り外す

バッテリー交換作業
バッテリーは使わなくても自然と自己放電して電圧が下がるため、長期間にわたって車に乗らないときはバッテリーのターミナルを外すかバッテリーそのものを外して保管します。

保管するときは適度に乾燥し風通しの良い涼しい場所を選ぶようにします。

バッテリーが上がったときの対処方法

ブースターケーブル
バッテリーが過放電で上がってしまった際などの、緊急時にブースターケーブルを使ってエンジンの始動を試みるときは以下の手順で行います。
車を正しく配置する
バッテリーの上がった車(故障車)のバッテリーと電源を供給する車(レスキュー車)のバッテリーがブースターケーブルでつなげられるようそれぞれの車を配置します。
エンジンを停止する
いずれの車もエンジンをストップさせます。パワースイッチは完全にオフの状態にします。
ブースターケーブルを接続する
ブースターケーブルを次の順番で接続します。
1.故障車のプラス端子(赤)
2.レスキュー車のプラス端子(赤)
3.レスキュー車のマイナス端子(黒)
4.故障車のエンジン本体など未塗装部分(黒)
レスキュー車のエンジンを始動
AT車であればシフトレバーを「P」のポジション、MT車であればギアをニュートラルにしてレスキュー車のエンジンを始動し、エンジン回転数をやや高めに維持します。
故障車のエンジンをスタート
バッテリーが上がってしまった車のエンジンをスタートさせて始動を試みます。
ブースターケーブルを外す
接続したときとは逆の手順でブースターケーブルを取り外します。
バッテリーを点検もしくは交換する
ブースターケーブルを利用した再始動はあくまで応急処置に過ぎません。一度放電してしまったバッテリーはメンテナンスもしくは交換する必要があります。
またブースターケーブルについても車両の電圧(V)・電流(A)の容量などにあったものが必要です。詳しくはオートバックスの店舗へお問い合わせください。

まとめ

オートバックスではバッテリーの診断や交換を承っています。お車にフィットするバッテリーの適合選定はもちろんのこと、スマートな交換作業に加えバッテリーの廃品処理も無料となっています。

バッテリーのことならどんなことでもご相談ください。経験と知識の豊富なスタッフがお困りごとに関する問題解決と、安全・安心のピットサービスを提供いたします。

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