車の整備シーン 車の整備シーン

車検時にオイル交換は必要?損しない適切なタイミングを解説!

車検のついでにオイルを交換する方も多いと思います。「ついで」といえば手間はないしどこかお得な印象がありますが、その交換は本当に必要なものなのでしょうか?

車検で油脂類=オイルの交換をすすめられたときに、必要なものと必要のないものを判断できれば、よりリーズナブルに車検を済ませられる可能性もあります。その上で「少し早いけれど、車検のついでにやってしまおう」と判断できれば合理的に車検を通すこともできます。

ここでは車検を受けるときに検討したい油脂類の交換について解説します。

カンタン予約・お店で待たない!

車検・見積もりをWEBで予約

エンジンオイルなど車の油脂類にはどんなものがある?

オイルイメージ画像
車にはエンジンオイルをはじめとしてさまざまな油脂類が使われています。

そもそも車検の機会に交換を検討すべき油脂類にはどのようなものがあるのでしょうか。改めてご紹介します。
エンジンオイル
エンジンオイルはエンジン内部を「潤滑」「密封」「冷却」「洗浄」「防錆」する働きをもつ油脂です。

エンジンオイルなしにエンジンは稼働できないのはもちろん、それぞれのエンジンに適切なグレードのオイルを使い正しい量を管理してはじめてエンジン本来の性能を維持することができます。
ブレーキフルード
ブレーキペダルを踏むとブレーキが働いて車は減速・停止します。ペダルとブレーキは油圧でつながっておりこの油圧システムに利用されているのがブレーキフルードです。

ブレーキフルードは吸湿性が高く空気中の水分を取り込んでしまう性質があり、これがブレーキフルードの劣化につながります。

劣化したブレーキフルードは沸点が下がり、長い坂道でブレーキをかけ続けるとブレーキが加熱しその影響で沸騰しやすくなります。沸騰すると油圧システム内に気泡が発生しペダルを踏んでもブレーキが利かないといった非常に危険な現象が現れます。
トランスミッションオイル
マニュアル(MT)車のトランスミッションの中には多くのギアが並んでおり、シフトノブ操作によって噛み合わせるギアの組み合わせを選ぶ(シフトチェンジ)仕組みになっています。

すべてのギアはオイルに浸かっており常に潤滑されている状態で、この潤滑に利用されるのがトランスミッションオイルです。トランスミッションオイルは走行距離や使用期間、使用状況によって劣化が進みます。
オートマチックトランスミッションフルード(ATF)
オートマチック(AT)車のトランスミッションは精密機器です。自動変速を行うための機構を備えています。

オートマチックトランスミッションフルードは内部を潤滑するだけでなくシフト制御のための油圧を伝える役割を担っており、走行距離や使用状況によって劣化が進みます。
CVTフルード
国産車を中心に無段変速機であるCVTが増えています。CVTはギアの組み合わせの代わりにブーリーとベルトを利用したオートマチックトランスミッションの一種で、無段階に変速するので変速ショックはありませんがスムーズな加速にはプーリーとベルトの潤滑が重要になっています。

CVTフルードも劣化を避けることができず、古いCVTフルードを使い続けると走行フィーリングの悪化や故障を招く可能性があります。
トランスファーオイル
トランスファーはエンジンの回転を前輪と後輪に振り分ける役割をもつ4WDに搭載されるメカニズムです。内部にはギアやチェーンなどが並んでおりトランスファーオイル(ギアオイル)に浸かっています。

トランスファーオイルはギアやチェーンの潤滑や防錆などを担っています。
デフオイル
デフとはディファレンシャルギアの略で、左右のタイヤの回転差を吸収する働きがあります。車が曲がるときには内輪差が発生し外側のタイヤは内側のタイヤより多く回転する必要があるため、特に低速時のカーブにおいてはデフがないとギクシャクしてしまいます。

デフの内部はギアが収まっていますが、差動を制限するリミテッドスリップデフ(LSD)では湿式多板クラッチなどが備わっています。デフオイルは酸化によって劣化します。

油脂類の適性な交換サイクルと車検時の判断とは?

全ての油脂類は原則、定期的な交換が必要とされています。それぞれの交換サイクルを、車検のタイミングと重ねてご案内します。

エンジンオイルの交換サイクル
エンジンオイルの交換は走行距離5,000kmごと、もしくは6カ月ごとを推奨しています。ただし負荷の高い運転が続いた場合やターボエンジン搭載車については走行距離2,500kmごと、または3カ月ごとの交換をおすすめします。

このような交換サイクルが車検のタイミングと重なる場合はエンジンオイル交換も同時に済ませたいところです。またエンジンオイル交換2回につき一度はオイルフィルターも交換します。

※前回オイル交換時から1年、1万kmを超える場合はオイル交換と同時にフィルター交換を推奨しております。
ブレーキフルードの交換サイクル
ブレーキフルードは走行距離にかかわらず劣化が進みます。交換時期の目安は2年〜4年と言われており、車検ごとのサイクルで交換するのが合理的です。新車から数えて初めての車検は3年目、以降は2年毎の交換がおすすめです。
トランスミッションオイルの交換サイクル
トランスミッションオイルの交換サイクルは走行距離20,000kmごとが推奨されていますが、まったく走行しなくても劣化するため2年ごとの交換または車検時に交換するのがおすすめです。
オートマチックトランスミッションフルード(ATF)の交換サイクル
各自動車メーカーは定期的なオートマチックトランスミッションフルードの交換を推奨しています。メーカーによって交換サイクルは異なるものの概ね30,000kmごとの交換が目安とされています。

車検時に交換するかどうかについては前回の車検から走行距離に照らし合わせて判断するようにします。
CVTフルードの交換の交換サイクル
CVTフルードも定期的な交換が推奨されています。自動車メーカーによって推奨されている交換時期が異なるものの約40,000kmごとの交換が目安となります。車検時に交換するかどうかは前回の車検から伸びた分の走行距離に照らし合わせて判断するようにします。
トランスファーオイルの交換サイクル
トランスファーオイルの交換時期は走行距離20,000kmごとがおすすめです。車検では走行距離から判断します。
デフオイルの交換時期の交換サイクル
デフギアのオイル交換時期は走行距離20,000kmごとがおすすめです。車検では走行距離から判断します。

油脂類交換費用の目安と作業にかかる所要時間とは?

エンジンオイル交換の費用・作業時間の目安
・オイル価格の目安 3,000円〜
・工賃の目安 550円〜
・作業の所要時間 15分〜
ブレーキフルード交換の費用・作業時間の目安
・工賃の目安 4,400円〜(オートバックス指定のブレーキフルードを含む)
・作業の所要時間 30分〜
マニュアルトランスミッションオイル交換の費用・作業時間の目安
・オイル価格の目安 3,000円/L〜
・工賃の目安 1,650円〜
・作業の所要時間 20分〜
オートマチックトランスミッションフルード(ATF)交換の費用・作業時間の目安
・工賃の目安 7,150円〜(オートバックス指定のフルードを含む)
・作業の所要時間 30分〜
トランスファーオイル交換の費用・作業時間の目安
・オイル価格の目安 3,000円/L〜
・工賃の目安 1,650円〜
・作業の所要時間 20分〜
デフオイル交換の費用・作業時間の目安
・オイル価格の目安 3,000円/L〜
・工賃の目安 1,650円〜
・作業の所要時間 20分〜

その他に車検で交換や補充を検討すべきものとは?

ラジエター液(クーラント)
ラジエター液(クーラント)はエンジンの冷却システムを循環する液体のこと。交換のサイクルは2年もしくは走行距離40,000kmごととなります。

ロングライフのスーパーLLC(ロングライフクーラント)であれば4年もしくは走行距離80,000kmですので、車検2回につき一度の交換が目安になります。

ウインドゥウォッシャー液

ウインドゥウォッシャー液
車検時に限ったことではありませんが、走行時の視界確保のためにはウォッシャー液の補充も重要です。

特に、最近の自動車はカメラやレーダーがフロントガラスの内側にあるため、ガラスの汚れを取ることが非常に重要です。自動車メーカーもウォッシャータンクの容量を従来に比べ大きくする等、ウォッシャー液が無くならないよう工夫しています。

車検時にもチェックと補充を忘れないようにしましょう

バッテリー液

カーバッテリー
メンテナンスフリーのバッテリーが一般的になっていることもあり、バッテリー液を補充する機会は減っています。メンテナンスフリーではないバッテリーは天面に点検・補充穴が備わっています。車検時には充電状態などチェックを受け、必要に応じてメンテナンスおよび交換するようにしましょう。

多彩なニーズに応えるオートバックス車検

オートバックスでは、メーカーの垣根を超えたサービスの提供でお客様の様々なニーズに合わせた「オートバックス車検」をご用意しております。事前のお見積もりでドライバー一人ひとりに最適な車検プランをご案内いたします。

まとめ

通すだけの車検では今回紹介したような油脂類の交換を省いてしまうことがあります。リーズナブルなようにも思えますが、長い目で見ると車をいたわることにはなりません。

愛車のメンテナンスを定期的に欠かさず行っているドライバーの方は決して多くはいないと思います。車検というタイミングを一つの起点として、適切なタイミングで油脂類を交換していくことで快適で安全なカーライフをお楽しみください。

車検の予約はできる?
車検をオートバックスのようなカー用品店に頼むメリットは?
ページトップへ