タイヤがパンクしたらどうする?対処法やパンクを防ぐ方法を解説
突然タイヤがパンクすると、対処方法がわからず慌ててしまう人も多いのではないでしょうか。事前に正しい対処法やパンクを防ぐ方法を知っておくことで、万が一パンクしても落ち着いて対応できるでしょう。
そこで本記事では、タイヤがパンクしたときの対処法や原因、注意点などについて詳しくご紹介します。
タイヤがパンクする原因
タイヤがパンクしたまま走行を続けると、ハンドルの操作がきかなくなるだけでなく、最悪の場合、バーストするおそれがあります。
長距離を走るのは避け、できるだけ早めに修理や新しいタイヤに交換することが重要です。
それでは、タイヤのパンクはどのような原因で発生するのでしょうか。ここでは、タイヤがパンクする4つの原因をご紹介します。
釘などの異物がタイヤトレッド面に刺さる
釘やネジなどの異物がタイヤに刺さると、パンクすることがありますが、現在主流となっているチューブレスタイヤは、タイヤに刺さった異物を抜かなければ、一気に空気が抜けることは少なくなっています。
少しずつ時間をかけて空気が抜けることから「スローパンク」といわれ、パンクに気が付きにくいため、こまめにタイヤに異物が刺さっていないか確認することが大切です。
タイヤに外傷がある
縁石に擦ってしまった等による外傷もパンクの原因になります。
タイヤに大きな外傷や深いキズがある場合、負荷や衝撃が加わった際に、バースト・パンクに繋がってしまいます。また、小さくても深い傷の場合にも、少しずつ空気が漏れる「スローパンク」となることがあります。
空気圧が低いまたは高い
空気圧が規定値より低いまま走行を続けると、燃費が悪くなるだけでなく、タイヤがすり減ってトレッド面(路面に接する部分)がひび割れ、パンクにつながります。
反対に空気圧が高い場合は偏摩耗につながり、パンクを誘発します。
またタイヤは自然に空気が減っていく性質のため、いつの間にか空気圧が規定値より下がっていることがあります。さらに、ハイスピードで走行すると、タイヤが摩耗してタイヤ内部が高温になり、バースト(破裂)することもありえます。バーストするとハンドル操作がきかなくなり、大変危険です。
車種によっては、空気圧が不足すると「タイヤ空気圧異常灯」が点灯することがありますが、パンクを防ぐためには1ヶ月に1回、空気圧の点検をすると安心です。
タイヤのゴムが劣化している
タイヤのゴムが劣化すると、弾力性が低くなりパンクしやすくなります。
タイヤの劣化は、単なる経年劣化だけでなく、紫外線や雨によっても起こるため注意しましょう。とくにトレッド面にひび割れがある場合には早めの交換がおすすめです。
また、タイヤは一般的に、使用開始から4年~5年程度で安全性能が低下します。目に見える劣化がなくても、ある程度の時間が経ったら、新しいタイヤに交換することをおすすめします。
ホイールリムが変形している
タイヤのホイールリム(ホイールの外側部分)が変形することで、パンクすることもあります。
変形したまま走行すると、車体が蛇行しハンドルをとられるだけでなく、歪んだホイールリムとタイヤの隙間から空気が抜けていきます。この空気圧が低下することによって、パンクする可能性があるのです。
さらに、右折や左折などでタイヤに大きな力が加わると、バーストするおそれがあります。
一見、ホイールリムは頑丈そうに見えますが、縁石への接触や段差を乗り上げた衝撃などでホイールに歪みが生じることがあります。一度チェックしてみてください。
タイヤがパンクしたときの注意点
タイヤがパンクした時には以下の3つに注意して下さい。
・注意点1. パンクしたまま走行し続けてはいけない
・注意点2. 釘などの異物を引き抜いてはいけない
・注意点3. 路肩でタイヤ交換を行ってはいけない
注意点1. パンクしたまま走行し続けてはいけない
パンクしたまま走行し続けてはいけません。なぜならパンクした状態での走行は危険だからです。パンクに気づいたり違和感があったりしたら、すぐに安全な場所で停車しましょう。
パンクしたまま走行すると、ハンドルがとられたり、ブレーキがきかなくなったりします。走行を続けると、タイヤがホイールから外れることも。さらにホイールが変形するのはもちろん、車体まで損傷するかもしれません。
ホイールが外れない場合でも、空気圧が低下したタイヤで走行を続けると、タイヤ全体が発熱してバーストするおそれがあります。
パンクに気づいた直後に、近くのカー用品店やガソリンスタンドなどに移動する程度であれば、走行しても大きな問題ありません。しかし、カー用品店やガソリンスタンドなどが遠い場合には、無理せずロードサービスに連絡するのがおすすめです。
注意点2. 釘などの異物を引き抜いてはいけない
タイヤに釘やネジなどが刺さってパンクした場合は、引き抜いてはいけません。早めに引き抜いたほうが、ダメージを最小限に抑えられると考える人もいるかもしれませんが、実は逆効果です。
なぜなら、釘やネジを引き抜くと、タイヤから空気が一気に抜けてしまうからです。空気が抜けきったタイヤは、パンク応急修理キットでの補修はできません。
また、完全に空気が抜けたタイヤでは、近くのカー用品店やガソリンスタンドまでの移動も困難です。ロードサービスなどを利用して修理する場合でも、空気が抜けたタイヤは穴がどこにあるのかわかりにくく、修理に時間がかかるでしょう。
異物が刺さったときは引き抜かず、そのまま応急処置や修理をするのがポイントです。
注意点3. 路肩でタイヤ交換を行ってはいけない
スペアタイヤへの交換は、安全な場所に停車してから行いましょう。パンクに気づいたのが一般道か高速道路かによって、対応方法は異なります。それぞれの対処法は、下記のとおりです。
・一般道のケース
走行中に異常に気づいたら、ハザードランプを点灯させ、安全な場所に停車させます。
エンジンを切ったら、周囲の車に気をつけて降車し、タイヤの状態を確認してください。パンク応急修理キットの使用やスペアタイヤへの交換をする場合には、三角表示板を置いてから作業を行います。
・高速道路のケース
近くにサービスエリアやパーキングエリア、非常待避帯があれば、移動してください。
安全な場所に移動してから、パンク応急修理キットを使用するか、スペアタイヤへ交換するか、ロードサービスに連絡するかを検討します。
停車させられる場所が遠い場合は、ハザードランプを点灯させて減速しながら路肩に停車させます。路肩では後続車に故障を知らせるために、車の50m以上後方に発煙筒と停止表示板を設置してください。
路肩は危険なため、自分でパンクの修理対応やスペアタイヤへの交換はせず、必ずロードサービスを呼びましょう。
タイヤがパンクしたときの対処法
まず、パンクしたときの対処法を確認しておきましょう。
パンクの対処法には以下の4つがあります。
・修理剤でパンクの応急処置を行う
・スペアタイヤに交換する
・ロードサービスを利用する
・近くのカー用品店などで修理・交換する
修理剤でパンクの応急処置を行う
最近は車にスペアタイヤを積まず、「パンク応急修理キット」が搭載されることが増えています。パンク応急修理キットには、タイヤに開いた穴を埋める「パンク修理剤」と、タイヤの空気圧を調整する「コンプレッサー」が入っています。
パンクに気づいたら、まずはパンク修理剤を注入してタイヤに空いた穴を埋め、コンプレッサーでタイヤに空気を入れましょう。
<パンク応急修理キットの使用方法>
1. 安全な場所に車を停車させ、エンジンを切る(ハザードを点滅させるか、三角表示板を立てる)
2. パンクしたタイヤの空気をすべて抜く(バルブコアの中心にある突起を押す)
3. バルブコア回しでタイヤからバルブコアを外す
4.パンク修理剤のボトルをよく振り注入ホースをねじこむ
5. パンク修理剤をタイヤ内部に注入する(パンク修理剤はすべて注入して使いきる)
6. バルブコアを取り付け、コンプレッサーでタイヤに空気を注入する
なお、パンク応急修理キットで応急修理されたタイヤはその後店舗での修理が難しく、原則交換となります。
応急修理をした後はすぐにテスト走行し、タイヤ全体にパンク修理剤を広げてください(10分もしくは5km程)。
そして、タイヤの空気圧を再度確認し問題なければ、タイヤ交換できる店舗へ向かいましょう。修理キットによる補修はあくまで応急処置です。応急処置したタイヤは完全な状態ではないので、注意して走行してください。
スペアタイヤに交換する
車にスペアタイヤが積まれている場合は、タイヤを交換します。手順は以下のとおりです。
<スペアタイヤの交換方法>
1. 車を安全な場所に停車させ、エンジンを切る(ハザードを点滅させるか、三角表示板を立てる)
2. ジャッキで車体を持ち上げる
3. ナットをゆるめてタイヤを外す
4. スペアタイヤを取り付け、ナットを締める
5. ジャッキで車体を下げ、ジャッキを外す
自分で交換することが難しい場合は、ロードサービスなどの利用を検討してください。また、車に積んだスペアタイヤは時間が経過すると、自然に空気圧が減っていきますので、緊急時に利用できるよう、定期的にスペアタイヤの空気圧をチェックしましょう。
なお、スペアタイヤはトラブル時のみに利用するもので、通常のタイヤよりもタイヤ幅が狭く、走行性能は高くありません。そのため、最高速度は時速80km/h以下、走行距離は100km以内にする必要があります。
ロードサービスを利用する
パンク応急修理キットの使用やスペアタイヤの交換ができない場合は、ロードサービスを利用しましょう。
ロードサービスとは、車のトラブル時にスタッフが現場に来て、故障対応やレッカー移動などをするサービスのこと。JAFが有名ですが、ほかにも保険会社やクレジットカードに付帯されたロードサービスを利用できる場合があります。
基本的には24時間対応可能なロードサービスがほとんどのため、緊急時はすみやかに連絡してください。サービス内容によっては、パンクの応急修理ができないケースもあるため、事前にサービス内容を確認しておくと安心です。
>ロードサービス内容 | JAF
近くのカー用品店などで修理・交換する
パンクに気づいたら、近くのカー用品店やガソリンスタンドなどで、修理やタイヤ交換をすることも可能です。
パンクしても、タイヤから空気がすべて抜けるまでは走行できます。カー用品店やガソリンスタンドが近くにある場合には検討してもよいでしょう。
ただし、パンクしたままの走行は危険なため、必ず速度を抑えるようにしてください。高速走行をしてしまうと、スタンディングウェーブ現象が発生しバーストしたり、タイヤが過負荷状態になり異常過熱しタイヤが内部構造から破損する恐れがあります。
タイヤのパンク応急処置後に行うこと
タイヤがパンクし応急処置をした後には、タイヤを修理するか、新しいタイヤに交換する必要があります。
タイヤのパンク修理を行う
パンクしたらまず検討するのが、タイヤの修理でしょう。パンクの修理は、カー用品店やガソリンスタンド、ディーラーなどで対応しています。
ただし、修理剤で応急処置したタイヤは原則修理ができません。タイヤ内にパンク修理剤が注入されたままになると、タイヤの重量バランスが悪化してしまい、ハンドリングや走行性能に支障をきたすためです。
パンク修理は「外面修理」と「内面修理」の2つに大きく分かれます。パンクの修理にかかる費用や時間は、下記のとおりです。
■パンク修理の費用と時間の目安
修理の種類 |
修理内容 |
費用 |
時間 |
外面修理 |
タイヤの表面(表面からパンク穴をふさぐ) |
2,000円~3,000円 |
20分~30分程 |
内面修理 |
タイヤの内面(内面からパンク穴をふさぐ) |
3,000円~5,000円 |
30分~60分程 |
外面修理は、タイヤを外さずに修理できることから費用を抑えられ、作業の待ち時間が短いことがメリットです。一方、正確な損傷具合が把握しづらく、完全な修理とはならないところがデメリットです。
内面修理はホイールからタイヤを外して内側から修理するためパンクの再発率が低く、より安全性が高いでしょう。ただし、その分修理時間が長く、費用も高くなるデメリットがあります。
パンクの状況によっては、いずれの方法でも修理できないケースもあるため注意が必要です。
<パンク修理ができないケース>
・トレッド(路面との接地面)の溝の深さが1.6mm以下(スリップサインが出ている)
・ベルトまたはブレーカが露出している
・トレッド以外に、コード層(タイヤの骨組み)に達する傷・割れなどがある
・タイヤ内部のコード層の露出や引きずり(タイヤ内部の損傷)、剥離などの損傷がある
・商用車(バン・トラック)の場合(パンク修理をすることで強度が下がり危険な場合があるため)
タイヤ交換を行う
タイヤを交換するときは、自分で実施する方法とプロに依頼する方法があります。自分で交換するときに必要な道具は下記のとおりです。
<自分でタイヤ交換するときに必要な道具>
・新しいタイヤ:2,500円/本〜(車種やタイヤのサイズ、性能によって異なる)
・ジャッキ:1,500円程度
・十字レンチ:1,000円程度
・作業用の軍手・手袋:100円~程度
・車の輪止め:1,000円程度
・エアゲージ(空気圧計):1,000円程度
自分でタイヤを交換すると、作業費用は抑えらますが、道具を揃えなくてはなりませんし、廃タイヤの処分にも手間がかかります。また、作業に慣れていないと時間がかかるだけでなく、事故につながるおそれもありますので、交換作業に不安がある場合にはカー用品店やガソリンスタンド、ディーラーなどの業者に依頼すると安心です。
業者にタイヤ交換を依頼すると、新しいタイヤの費用と作業費用(1本につき3,000円~6,000円程度)がかかります。特に、カー用品店での交換は費用が安い傾向があるので、チェックしてみましょう。
タイヤ交換/パンク修理については、こちらからどうぞ。
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タイヤのパンクを防ぐための方法
タイヤがパンクすると、修理やタイヤの交換が発生し、手間もコストもかかります。できるだけパンクを防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか。パンクの予防策を4つご紹介します。
タイヤのひびや傷を乗車前にチェックする
車に乗る前に、タイヤにひび割れや傷がないかをチェックし、早めに対処しておくと、パンクの予防につながります。もし、タイヤにひび割れや傷があった場合には、できるだけ早めに修理するか、新品のタイヤに交換しましょう。
また、タイヤの溝の深さをチェックすることも重要です。溝の深さが1.6mmになるとタイヤの表面に「スリップサイン」が出てきます。スリップサインが出ると、スリップしやすくなるだけでなく、パンクの危険性が高まるため、そのまま走行すると、整備不良として道路交通法違反となってしまいます。
そのため、乗車前はひび割れや傷だけでなく、「タイヤにスリップサインが出ていないか」「偏摩耗が起こっていないか」も確認するといいでしょう。
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タイヤのスリップサインの見方とは?タイヤ交換の判断基準も紹介
タイヤの空気圧を適正値に保つ
空気圧が適正でないとパンクしやすくなるため、パンクを防ぐためには空気圧を確認・管理することが有効です。
空気圧が適正値より低いと、接地面が大きくなり、そのまま走行するとタイヤがたわんでパンクしやすくなるので、注意が必要です。また、ハンドルがとられたり燃費が低下したりする可能性もあります。
タイヤの空気圧は、利用していなくても自然に1ヶ月で5%~10%程度下がるといわれていますが、タイヤの空気圧は目視だけでは正確に判断できません。カー用品店などで「エアゲージ」という空気圧測定器を購入すると、簡単に空気圧のチェックが可能です。
安全のために、月に1回はタイヤの空気圧をチェックしましょう。エアゲージを使った空気圧のチェック方法は、下記のとおりです。
<タイヤの空気圧のチェック方法>
1. 車の推奨空気圧を確認する
2. エアバルブのキャップを外す
3. エアバルブにエアゲージのホースをあてて空気圧を測定する
4. エアバルブのキャップを取り付ける
また、カー用品店やガソリンスタンドであれば、空気圧のチェックだけでなく、空気圧の調整も可能です。
使用期間と走行距離で交換を検討する
走行距離にかかわらずタイヤは使用開始から4年~5年経つと、劣化して安全性能が低下します。劣化したタイヤは柔軟性が失われパンクしやすくなります。
そのため使用開始から4年程経ったら、新しいタイヤに交換するのがおすすめです。
なお、走行距離が30,000kmを超えると、摩擦によりタイヤの溝が浅くなり、交換が必要になることが多くなります。タイヤメーカーやサイズによって摩耗の度合いは異なりますが、一般的には5,000km走行するごとに1mm程度溝が浅くなるといわれています。
タイヤの交換時期の目安となるスリップサインが現れるのは、溝が1.6mmになってからです。つまり、32,000kmになるとスリップサインが現れます。
スリップサインが現れてから道路を走行すると交通法違反になるため、30,000kmを目安に新しいタイヤに交換しましょう。
タイヤローテーションで偏摩耗を管理する
パンクの予防には、タイヤローテーションが有効です。
タイヤローテーションとは、タイヤの摩耗を均等にするため、前輪や後輪を定期的に位置交換(ローテーション)すること。タイヤは装着される位置によって摩耗度合いが異なります。前輪と後輪では摩耗するスピードが違ったり、左右のタイヤで摩耗の偏りがあったりするものです。
そこで、定期的にタイヤローテーションをすることで、タイヤの摩耗を均一にでき、パンクのリスクを軽減できるだけでなく、タイヤの安全性能を長く維持できます。
タイヤローテーションは、4本で行う場合と、予備のタイヤを追加して5本で行う場合があり、目安は5,000km走行するごとに1回するといいでしょう。
タイヤのパンクは早めの修理や交換を
オートバックスでは、経験豊富なプロの整備士が無料でタイヤ安全点検を行っています。
パンクの修理や新しいタイヤへの交換や、パンクの修理ができるか、タイヤ交換が必要かをしっかり見極めてご提案しますので、ぜひご利用ください。
- タイヤ交換の予約はできる?
-
ご予約可能です。
ただし一部店舗では承っていない場合がございます。
作業をご希望の店舗までお問い合わせください。
>お問い合わせはこちら
- オートバックスでタイヤ交換するときの費用は?
-
タイヤを新規でご購入いただく場合・お持ち込みの場合、ノーマル(夏)タイヤ⇔スタッドレスタイヤの履き替え(脱着)等、作業内容・車種によって変わります。
>目安工賃・目安作業時間はこちらよりご確認ください。