新品タイヤに必須の慣らし運転とその実践方法を解説

新車には慣らし運転が必要です。車は数多くの部品で構成されているため、各部が馴染むまで一定の速度以下で走ったりエンジンの回転数を抑えるよう自動車メーカーも推奨しています。新車のうちの気遣いが車本来の性能を発揮させその後の寿命にも影響するからです。

実は新品のタイヤについてもこの慣らし運転が必要なことをご存知でしょうか。

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新しいタイヤの慣らし運転が必要な理由

理由1:タイヤ本来の性能を発揮させるとともにタイヤの寿命を削らないため
新品のタイヤに履き替えてすぐに激しい運転をしてしまうと、タイヤ本来の性能を引き出せないばかりかタイヤの寿命そのものにも悪影響を与えることになります。

言い換えれば、おろしたてのタイヤを一定期間優しく扱うことで、はじめて本来得られはずの性能や寿命を確保できることになるのです。
理由2:新旧タイヤの性能差にドライバーが慣れるため
古くなったタイヤは劣化して、一般的に性能も衰えています。それに比べると新しいタイヤはフレッシュであり、より高い性能を発揮することが期待できます。

この性能差にドライバー自身が慣れるのもタイヤの慣らし運転が必要な理由ひとつです。
理由3:寸法成長による発熱を抑えるため
タイヤの内部構造は見た目以上に複雑です。

新品タイヤをホイールに組み込んで空気を充填すると、その骨格であるベルトやカーカスなどの構造部材は僅かながら膨張する性質があります。膨張によって大きくなることをタイヤが成長するなどと言われますが、これが「寸法成長」や「寸度成長」と呼ばれる現象です。

寸法成長によってタイヤは発熱しやすくなるので、ならし運転にはこの発熱を抑える目的もあります。
理由4:ホイールとタイヤを馴染ませるため
慣らし運転には新品タイヤと組み込んだホイールを馴染ませる意味もあります。組み込んだばかりのタイヤは慣らし運転によって徐々にホイールへの密着度を高めていきます。こうすることで360度均一に密着し偏摩耗などを防ぐことにもつながるのです。

理由5:不慮の事故を防ぐため

おろしたてのタイヤは表面がつるつると滑りやすくグリップしにくい状態です。表面が滑りやすいのはその製造工程に理由があります。

大きな金型でタイヤを成形するのですが、この型からタイヤを剥がれやすく(取り出しやすく)するために離型剤が使われることがあります。この離型剤はタイヤを保護する役割もある反面、油のように滑りやすいのです。

タイヤの慣らし運転のことを「ひと皮」むく、といった表現が使われることがありますが、まさしく表面の油分を取り除くのにトレッド表面の薄皮をひと皮むく目的があります。

慣らし運転の具体的な方法

“急”な操作のともなう運転を避ける
タイヤのならし運転の基本は急な操作をしないことです。具体的には急ハンドル、急ブレーキ&急加速を避けます。特に急ハンドルについては新品タイヤは滑りやすく思わぬ事故を招く可能性があります。

また、制動距離が伸びることもあるので安全運転を心がけるようにしましょう。

高速道路などでの走行を避ける

タイヤの慣らし運転中は高速道路などにおける高速走行を避けるようにします。タイヤがひと皮むける前にスピードを出すのは危険です。

また高速走行はタイヤの寸法成長にともなう発熱をさらに過熱させることになります。
タイヤを交換して1週間ほどで空気圧を再調整する
タイヤの成長期を通してタイヤの空気圧は10〜20kPa程度減少するとされています。タイヤを交換したら1週間程度で空気圧をチェック、必要に応じて補充するようにしましょう。

各タイヤメーカーが推奨する慣らし運転中の制限と走行距離

各タイヤメーカーが推奨する慣らし運転中の速度制限と走行距離を紹介します。

ブリヂストン
「新品タイヤ装着時にはタイヤがなれるまで、夏用タイヤの場合、80km/h以下の速度で最低100km以上、冬用タイヤの場合、60km/h以下の速度で200km以上の走行距離のならし走行を行ってください」
ヨコハマタイヤ
「夏タイヤは時速80キロ以下で最低100km以上走行する。冬タイヤは時速80キロ以下で最低100km以上走行する」
ダンロップ
「乗用車・軽トラックが走行速度80km/h以下/走行距離100km以上、小型トラックが走行速度60km/h以下/走行距離200km以上が目安」
ファルケン
「乗用車/軽トラック用は80km/h以下で合計100km以上、小型トラック用は60km/h以下で合計200km以上の慣らし走行をしてください」
トーヨータイヤ
「乗用車用タイヤの場合、80km/h以下の速度で100km以上。小型トラック用およびトラック・バス用タイヤの場合、60km/h以下の速度で200km以上。但し、乗用車に小型トラック用タイヤが装着されている場合は乗用車用タイヤの基準を適用ください」
ミシュラン
「新品タイヤ装着時にはタイヤが慣れるまで、慣らし走行を行ってください。乗用車:80km/h以下で100km以上、小型トラック:60km/h以下で200km以上」

まとめ

新品タイヤのならし運転は、安全面はもちろんのこと経済性においても合理的と言えます。必ず実践するようにしましょう。

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