タイヤバーストの原因とは?バーストしたときの対処方法と予防方法
タイヤはバーストすると、「バン!」という音を立てて破裂します。ハンドル操作が難しい状態になった場合には重大な事故につながる可能性があります。このように危険なタイヤバーストは、どのような原因によって起きるのでしょうか。
この記事では、タイヤバーストとパンクの違いやバーストの原因、バーストしたときの対処方法のほか、バーストしないための予防方法についてご紹介します。
走行中にタイヤが発熱し、タイヤが破裂するタイヤバースト
タイヤバーストとは、走行中にタイヤが発熱し、タイヤが破裂することです。バーストと混同されることが多いのが、タイヤのパンク(スローパンクチャー)です。パンクは、釘などの異物によって空気が少しずつ抜ける状態を指しています。
バーストとパンクの細かな違いは、下記のとおりです。
■タイヤのバーストとパンクの違い
|
バースト |
パンク |
現象 |
タイヤが破裂すること |
タイヤから空気が少しずつ抜けること |
走行の可否 |
不可能 |
可能な場合もある |
発生に気づくタイミング |
すぐに気づく |
時間が経過してから気づく |
原因 |
・空気圧の過不足
・外部からの衝撃
・タイヤの劣化
・過積載
・冬タイヤで夏場の高速走行 |
・釘などの異物が刺さる
・空気圧の減少
・タイヤのゴムの劣化
・ホイールリムの変形 |
修理の可否 |
不可能 |
可能な場合もある |
タイヤバーストによって起きること
タイヤはバーストすると、「バン!」という音を立てて破裂します。タイヤの破損によりハンドルがとられて思わぬ方向に向かうこともあり、大きな事故につながるおそれがあります。
また、破裂の影響で、車のほかの部品が傷ついたり、周囲の車にタイヤのゴム片があたることもあるでしょう。
タイヤバーストの前兆
タイヤがバーストする前兆としては、次のようなものがあります。
・走行中の振動
走行中に振動を感じたり、ハンドルが重く感じたりすることがあれば、バーストの前兆である「スタンディングウェーブ現象」の可能性があります。
スタンディングウェーブ現象は、空気圧が低下した状態で高速走行をしたときに、タイヤがたゆんで波状(ウェーブ状)に変形するもの。この状態のまま走行を続けると、タイヤの設置面の抵抗が大きくなり、タイヤ内部が高温になってバーストするのです。
・走行中のゴムが焼けるようなニオイ
スタンディングウェーブ現象によって、走行中にゴムが焼けるようなニオイがすることもバーストの前兆のひとつです。違和感のあるニオイは、窓を開けるとわかりやすいでしょう。路肩や駐車場など安全な場所に停車して、タイヤの状態をチェックしてください。
・タイヤ表面のひび割れや傷
タイヤの表面にひび割れや傷があると、タイヤ内部のコード層が切れてバーストが発生しやすくなります。特に、深くかつ長くつながっているひびは大変危険です。
判断に困った場合には、カー用品店などに相談して点検することをおすすめします。
タイヤがバーストする原因
バーストはなぜ起こるのでしょうか。ここでは、バーストする原因を5つご紹介します。
空気圧の過不足
タイヤがバーストする原因として多いのが、空気圧の低下です。空気圧が低下したまま走行すると、タイヤの接地面が広くなり、高速回転することで前述のスタンディングウェーブ現象が起こります。
一方、空気圧が適正値より高くても、バーストすることがあります。空気圧が高いとタイヤの柔軟性が失われ、外部からの衝撃に弱くなるからです。タイヤの空気圧は、適正値を保つようにしましょう。
外部からの衝撃
バーストは、縁石に乗り上げるなどのタイヤに対する外部からの衝撃によって起きることがあります。
すぐにはバーストしなくても、タイヤにこぶのような膨らみ(ピンチカット)が生じた場合などに、タイヤ内部が裂けて空気圧を維持できなくなり、バーストすることがあります。
タイヤの劣化
ゴムの劣化によって、タイヤがバーストすることもあります。ゴムは、使用していなくても経年劣化します。特に、紫外線や熱などにさらされると劣化が早まり、ゴムが硬化します。タイヤのゴムが硬くなると、サイドウォール(タイヤの側面)にひび割れが発生しやすくなります。
また、タイヤが摩耗した状態もバーストのリスクがあります。タイヤの溝が1.6mm未満を表すスリップサインが出たらタイヤを交換しましょう。
過積載
自動車メーカーが車種ごとに定めた最大積載量を超えたまま走行すると、タイヤに熱が溜まってタイヤ内部のコード(補強剤)が破損し、バーストするおそれがあります。車に載せる荷物などの重量が重くなると、その分タイヤに負担がかかるからです。
冬タイヤによる夏場の走行
冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)を履いたまま夏場に走行すると、バーストする危険があります。
冬タイヤは夏タイヤに比べてやわらかいゴムで設計されています。そのため、路面の温度が高い夏場に冬タイヤで走行すると、タイヤが変形しやすくなり、バーストする危険があります。
タイヤがバーストしたときの対処法
タイヤがバーストしたときには、どのように対処したら良いのでしょうか。ここでは、タイヤがバーストしたときの対処法を確認します。
1. 落ち着いてハンドルを操作する
バーストしたら、バックミラーやサイドミラーで周囲の車の状況を確認しながら、落ち着いてハンドルを操作することが重要です。破裂音や振動に驚いてハンドル操作を誤らないように注意が必要です。
2. 路肩(縁石)にゆっくり停車する
落ち着いてハンドル操作をしながら、徐々にスピードを落として路肩や駐車スペースに停車します。特に高速道路では、急ブレーキをかけることは、後続車を巻き込む事故に繋がる危険があるのでやめましょう。
また、カー用品店やガソリンスタンドが近くにあるからといって、そのまま走行してはいけません。タイヤが破裂しているため、ハンドル操作が思うようにできないからです。「近い場所なら大丈夫」と考えず、必ず路肩などに停めましょう。
3. 停車したら三角表示板を設置する
高速道路や自動車専用道路で故障車を停車させるときには、三角表示板の設置が義務付けられています。車を安全に停車させたら、追突されるリスクを避けるために三角表示板を設置しましょう。
4. スペアタイヤに交換する
一般道でバーストし、スペアタイヤを搭載している車であれば、スペアタイヤに交換します。このとき、スペアタイヤの空気圧が適正値であるかを確認してから装着してください。
なお、「パンク修理キット」は、バーストしたタイヤには使用できません。ロードサービスなどに連絡し、到着を待つようにしてください。
5. ロードサービスに連絡し、安全な場所で待つ
高速道路でバーストしたら、すぐにロードサービスに連絡します。高速道路では、車内ではなく近くのガードレールの外側で待機してください。
ロードサービスはJAF(一般社団法人日本自動車連盟)の場合、非会員でも1万3,300円で依頼可能です。また、契約している自動車保険会社や一部のクレジットカードに、ロードサービスが付帯されていることもあります。
6. タイヤを交換し、プロに車体をチェックしてもらう
バーストしたタイヤは、内部のワイヤーやコードがボロボロになっており、修理できません。カー用品店やタイヤ専門店、ガソリンスタンドなどで新しいタイヤへ交換してください。
バーストによってタイヤの周辺の車体もダメージを負っている可能性があるため、タイヤ交換時にプロにチェックしてもらうことをおすすめします。
タイヤバーストを予防するには?
タイヤのバーストを防ぐためには、空気圧を定期的にチェックし、こまめに空気を補充することが重要です。しかし、タイヤは目視だけではその状態を正確に判断できません。
そこで、タイヤバーストを予防するためにすべきことを見ていきましょう。
タイヤの適正空気圧を調べる
車は車種ごとに適正な空気圧が定められており、おおむね下記のいずれかの方法で確認できます。
■空気圧を確認する手段と方法
手段 |
確認方法 |
運転席ドアの開口部 |
運転席側のドア開口部に貼られている指定空気圧を示したプレートやステッカーで確認する(給油口に貼られている場合もある)。 |
取扱説明書 |
車に備え付けられている取扱説明書で確認する。 |
カーディーラー |
カーディーラーで整備士などに尋ねて確認する。 |
タイヤは1ヶ月に1回、空気圧を点検しましょう。点検の際は空気圧のセンサーをタイヤに取り付けて、車内のモニターで確認できる「タイヤ空気圧センサー(TPMS)」があると便利です。または、空気を補充するタンクに空気圧メモリがついている場合もあります。
タイヤの空気圧を測るときは、運転前や走行後に時間が経ってタイヤが熱を持たない「冷間時」に行ってください。走行すると熱を持ち、空気が膨張する性質があることがその理由です。
タイヤの空気圧を適正値に保つ
空気圧を適正値に保つには、定期的に空気圧をチェックし、減っている場合には補充する必要があります。手段と方法は下記のとおりです。
■空気圧を適正値に保つ手段と方法
手段 |
補充方法 |
コンプレッサー |
コンプレッサーに備わるエアタンクで、指定した空気圧の値まで素早く充填する。 |
ポンプ |
足踏み式のフットポンプやコンパクトな電動式ポンプなどで空気を充填する。バルブ形状には英式、米式、仏式などがあり、一般的に車は米式。 |
タイヤを定期的にチェックしてもらう
タイヤはガソリンスタンドやカー用品店、カーディーラー、タイヤ専門店でチェックしてもらうのがおすすめです。
オートバックスでは、「無料タイヤ安全点検」を実施しています。空気圧のチェックはもちろん、偏摩耗やひび割れ・傷、ゴムの劣化などをプロがチェックするので安心です。
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タイヤのひび割れや傷、劣化を防ぐ
バーストの原因となるタイヤのひび割れや傷、劣化を防ぐためには、車にカバーをかけたり、カーポートを設置したりして、日差しを避けた保管環境を作るようにしてください。タイヤのゴムは、紫外線や雨などによって自然に劣化していくからです。
夏タイヤやスタッドレスタイヤを屋外保管するときにも、紫外線をカットするカバーをかけたり、日陰に置いたりします。タイヤワックスがついたまま保管すると劣化が進むので、ワックスを拭き取ってから保管するのがおすすめです。
タイヤの劣化を防ぐ方法については、下記の記事もご覧ください。
>タイヤのスリップサインの見方とは?タイヤ交換の判断基準も紹介
タイヤのバーストはオートバックスの「無料タイヤ安全点検」で予防しよう
タイヤのバーストの原因には、「空気圧の過不足」や「タイヤの劣化」などが挙げられます。これらは、日常的なメンテナンスで防ぐことが可能です。
オートバックスでは、「無料タイヤ安全点検」を実施しています。タイヤの空気圧の不足や偏摩耗、ひび割れ・傷、ゴムの劣化などをプロが確認しますので、お気軽にご利用ください。
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