夏の直射日光&紫外線による劣化を防ぐタイヤの保管方法

車から外したスタッドレスタイヤやサマータイヤを保管する時、どんなことに注意すべきなのでしょうか。タイヤの性能や寿命を損なわないのはもちろん、次のシーズンが到来したときも気持ちよく使い続けられるスマートな保管方法を解説します。

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そもそもタイヤの寿命は?

夏タイヤ(ノーマルタイヤ)の場合

たとえタイヤの溝が残っていたとしても製造から10年が経過すると経年劣化によって十分な性能が発揮されなくなると言われます。

そこまで至らなくても、使用開始から約5年が経過したらカー用品店やタイヤ販売店で継続して使えるかをチェックしてもらうようにしましょう。
スタッドレスタイヤの場合
スタッドレスタイヤは新品時の性能(氷上制動距離)が約3年間持続するとされています。ただし、正しく保管されていたこと、溝の摩耗が50%以内であることが前提です。

タイヤの製造年月を確認する方法

タイヤの製造時期はサイドウォールに刻印された製造番号で確認することができます。

刻印例*: AB1621

アルファベットの次の下4桁の数字に注目します。刻印例の場合、最初の「16」が1年の何週目に製造されたのかを表します。次の「21」が製造年で、この場合は2021年を表します。

以上から、2021年の4月(16週目)に製造されたタイヤであることがわかります。

*2000年以降に製造されたタイヤの場合

タイヤを保管する際のポイント

サマータイヤとスタッドレスタイヤの保管方法はいずれも同じです。適切に保管することで劣化の進行を抑えより長く性能を維持することができます。保管時は次のような点に注意します。

タイヤは重量物なので持ち運びに注意
タイヤ単体、そしてタイヤとホイールのセットは重量物です。15インチサイズの純正タイヤ&ホイールであれば1本あたり15キロ前後、SUV車が装着する18インチサイズの純正タイヤ&ホイールになると1本あたり25キロ前後で、4本合計では約100キロになってしまいます。

タイヤを運ぶときは怪我をしたり腰を痛めたりしないよう十分に注意しましょう。
タイヤを装着していた位置を記録しておく
保管の前に4本それぞれのタイヤが「前右」「前左」「後右」「後左」など、車のどの位置に装着されていたかを記録・マーキングしておきます。次回装着するときにローテーションすることで偏摩耗を防ぎます。

ローテーションの交換位置*

FF FRおよび4WD
現在 次回 次回
前右→後右 →後左
前左→後左 →後右
後右→前左 →前右
後左→前右 →前左

*回転方向が指定されているタイヤの場合は前後のみを入れ替えます

タイヤとホイールを洗う

保管する前にタイヤとホイールを洗います。汚れを落とすことでタイヤの劣化を未然に防ぎ、異常があれば早期発見できるといったメリットがあります。

■タイヤの洗い方
洗車ブラシなどを使って水洗いします。汚れがひどい場合は中性のカーシャンプーを薄めて使い、泡をきれいに流してから布で吹き上げます。この時トレッド面に異物が挟まっていないか、サイドウォールに亀裂や劣化などがないかチェックしましょう。

■ホイールの洗い方
ホイールもタイヤと同じように洗います。ブレーキダストの粒子がホイールに付着したままにしておくとサビの原因にもなりますので市販のアルミホイール専用クリーナーなどを使います。

タイヤの空気圧を下げる
保管する前にタイヤの空気圧を下げます。エアゲージなどがある場合は1.0kg/cm2程度まで下げます。
付属品を失くさないように保管
ナットやボルト、ロックナット、センターキャップなどの付属品はまとめて袋などに入れて保管し紛失しないようにしましょう。
保管していたタイヤを車に装着するときの注意点
保管していたタイヤを再び車に戻すときは空気圧を適正値に戻し、必要に応じてローテーションして装着します。

タイヤの保管場所はどこが適切?

タイヤは保管するにあたってスペースをとるため、保管場所は悩むことが多いと思います。また、一軒家やマンションなどの居住タイプによっても対応が異なってきます。タイヤを保管するのに適した場所とは? 次のような点に配慮します。

室内で保管するときのポイント
室内で保管する時は、タイヤのゴムに含まれる薬品などが床に移ることがありますので厚手の段ボールを下に敷くなど養生するようにしましょう。
室外で保管するときのポイント
■直射日光を避けて風通しの良い場所を選ぶ
タイヤはゴム製品ですので紫外線は大敵です。直射日光にさらしたままでは劣化を早めてしまうことになるので日陰や屋根の下で管理するようにします。

■雨水のかからないところがベター
特にホイールを外してタイヤ単体で保管する時はタイヤの中に雨水などが入らないようにします。スチールラジアルでは雨水がスチールベルトを痛めてしまうケースがあります。

■油分や熱源、オゾンなどを避ける
ゴムでできたタイヤは油を吸収してしまう性質があります。またストーブなどの熱によってゴムが老化したりモーターやバッテリーなどから発生するオゾンの影響でゴムが劣化することもあります。

■盗難の心配がないところ
タイヤやホイールは高価なパーツです。盗難の心配がある場所には置かないようしましょう。どうしても避けられない場合はチェーンやロックなどを利用して対策します。

タイヤは縦置き、横積み、どちらにする?

一般的にタイヤ単体であれば縦置きで保管、タイヤとホイールを組んだ状態で保管するのであれば横積みが推奨されています。

ホイールを組んだ状態では重さがあるため、トレッドの一方向だけが接地し続けることによってタイヤが変形してしまうのを避ける意図が横積みにはあります。ただし来シーズンまでの半年程度であればどちらの保管方法であっても問題がないと言えます。保管スペースなどの事情を踏まえて判断しましょう。

もちろんいずれの方法であっても重量物をタイヤの上に載せるのは厳禁です。
タイヤラック

タイヤの縦積みに便利なのがタイヤラックです。パイプを組み合わせた構造のものが多く、載せてしまえばタイヤが転がることもありません。キャスターが付いているタイプであればタイヤを載せたまま移動させることも可能です。

カバーが備わっているものでも5,000円程度から購入可能です。



タイヤスタンド


基本的にはタイヤラックと同じですが、室内で保管するのにお気に入りのホイール面を敢えて見せるようにしてみたり、インテリアやディスプレーの要素が強くなります。地震などで転倒しないよう配慮して設置しましょう。こちらは8,000円前後から入手できます。


タイヤカバー1本タイプ

タイヤを1本ずつ個包装するタイプのカバーです。このタイプでは縦置き、横積みのいずれにも臨機応変に使いまわせます。素材にUVカットや耐熱性能のあるものが望ましく、4本分セットで3,000円程度から入手できます。価格はタイヤサイズによっても異なります。

タイヤカバー4本タイプ

横積みにしたタイヤ4本の上からすっぽりと被せるタイプのカバーです。1本タイプと同様に屋外での利用に適した素材になっていること、風で飛ばないように紐で結べたり、ジッパーが付いているものがあります。

このタイプでは一度並べると移動が面倒なので、タイヤの下にスノコなどを敷いて風通しを良くしましょう。サイズによって異なるものの3,000円前後で手に入ります。

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まとめ

サマータイヤやスタッドレスタイヤの保管にまつわるノウハウを解説しました。正しい保管方法でスマートなカーライフを満喫してください。

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