冬の鬼門「凍結路面」対策で安心・安全ドライブ
凍結路面とは道路に積もった雪や降雨による水溜りが、外気温が氷点下になることで凍った路面状態のことを指します。アイスバーン(ドイツ語でスケートリンクの意)とも呼ばれます。
国土交通省によると、冬季事故の約5割が凍結路面で発生しているという調査結果もあります。事故を未然に防ぐためにも凍結路面とその対処方法を正しく理解しましょう。
凍結路面(アイスバーン)はこんな場所にできやすい
凍結路面は特定の場所に発生しやすいため、発生しがちな場所を事前に把握しておくことで危険を察知したり避けることが可能となります。ここでは代表的なポイントをご紹介します。
- 交通量の多い市街地
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降雪時に車が頻繁に行き交う市街地では交差点が凍結路面の発生しやすいポイントとなっています。これには理由があり、信号のある交差点などは停止と発進が繰り返されることによって路面の雪が溶け、それが夜間になって凍るためです。
- 坂道
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降雪時の坂道はスリップしやすくなります。タイヤが滑ると摩擦で雪が溶け、溶けた雪が再び凍ってしまうことによって凍結路面になります。
- トンネル出入口や橋の上
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冬の冷たい風が吹き付けるトンネル出入口や橋の上も凍結路面が発生しやすいポイントです。山間部や河川周辺は霧が発生しやすく、結露によって路面が凍結するケースもあります。
凍結路面のミラーバーンやブラックアイスバーンとは?
凍結路面には、より注意が必要になるミラーバーンやブラックアイスバーンと呼ばれるものもあります。
凍結しただけの路面よりその上に水の膜が張った状態が最も滑りやすいとされていて、ミラーバーンやブラックアイスバーンはその典型です。
- ミラーバーンとは?
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ミラーバーンとは凍結路面の上を何度も車が停止や発進を繰り返すことで、凍結面が鏡のように磨かれることで発生する現象のことです。
昨今、このミラーバーンの多発が問題になっており、その一因がスタッドレスタイヤの普及にあるとも言われています。スタッドレスタイヤのトレッドには大小の溝が刻まれておりこれが路面を磨いてしまうことに起因します。
- ブラックアイスバーンとは?
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ブラックアイスバーンとは凍結路面や圧雪路が日中の日射しなどによって溶け、夜間や早朝に気温が下がることで路面が凍りついた状態です。また、発生した霧が結露して路面上に薄く凍るケースもあります。
いずれも薄い氷でアスファルトが黒く透けるため、一見して単なるウェット路面に見えてしまうこともブラックアイスバーンの危険性を高めています。
凍結路面の走り方
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凍結路面、ミラーバーン、そしてブラックアイスバーンなどに対処するため、冬のドライビングでは一層の注意が求められます。
ここではスノードライブで気を付けるべきポイントをおさらいします。
- 交差点ではひと呼吸おきましょう?
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交差点付近は停止線よりも手前で止まるようにします。停止線の近くは停止と発進が繰り返されることで路面が磨かれて滑りやすくなりがちなため、先行車がいる場合も車間距離を十分に保つ必要があります。
赤信号で止まりきれなかった車が交差点に侵入してきてしまうこともありますので、信号が青になってもすぐに発進しないことも大切です。
- 坂道はゆっくりと発進しましょう
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雪の坂道での急発進は禁物です。焦る気持ちからアクセルを強く踏むとかえって滑りやすくなります。マニュアル車なら2速発進で、オートマチック車ならクリープ現象を利用したりスノーモードが備わっているときはこれを活用します。
- トンネルの出入口や橋の上は状況の変化に注意しましょう
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トンネルや橋の上は路面が変化しやすい場所です。乾いた路面のトンネルから出たら凍結路面だったというケースもありえます。周囲の状況を見ながらあらかじめスピードを十分に落として走行するようにします。
- 夜間の走行は避ける
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冬季は不要不急の夜間ドライブを避けましょう。夜間は路面が凍結しやすく路面の状況がわかりにくいからです。また万一トラブルが発生した場合もレスキューまでに時間がかかるといったことも夜間ドライブを避けたい理由です。
- ABSを過信しない
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ABS(アンチロックブレーキシステム)やスタビリティコントロールといった装置は、車の姿勢変化を抑えたりブレーキがロックしてハンドル操作が利かなくなるのを防ぐものです。
制動距離を短くするものではなく、むしろ滑りやすい路面においてはABSが働くことで制動距離が長くなるケースもあります。ABSが付いているからといって雪道でスピードを出すのは危険です。
備えあれば憂いなし 凍結路面を走るときのマストアイテム
凍結路面やミラーバーン、ブラックアイスバーンに対してゆとりをもって走るのはもちろんのこと、装備もしっかり揃えておきたいところです。ここでは必須となるアイテムを紹介します。
- スタッドレスタイヤ(冬タイヤ)
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凍結路面はもちろんのこと雪道をサマータイヤで走ることは危険です。また、オールシーズンタイヤも凍結路面ではまったく歯が立ちません。ウインタードライブにおいてはスタッドレスタイヤが必須であり、スタッドレスタイヤの中でも特に氷上性能の高いタイプがおすすめです。
オートバックスのプライベートブランドである「NorthTrek N3i」なら柔軟性のある接地面とタイヤ全体の剛性を確保しており、氷上ブレーキ性能を維持しつつスタッドレスタイヤにありがちなふらつきを抑えています。
- タイヤチェーン
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スタッドレスさえ履いていれば万全ということはありません。
JAFの行ったテストによると、9%の勾配のある氷盤路において、スタッドレスタイヤは再発進できなかったのに対してスタッドレスタイヤ+チェーンでは再発進が可能だったことが報告されています。
凍結路面の備えとしてチェーンの携帯は有効です。
■金属タイプ
亀甲型とはしご型があります。非金属チェーンに比べるとコンパクトに収納できる反面、重いといったデメリットがあります。ちなみに、より坂道に強いのは亀甲チェーンというテスト結果もあります。
金属チェーンはおよそ30キロ以下の走行速度を想定し設計されています。(金属チェーンの制限速度は商品によって異なり、50キロ以下の商品もございます。)
■非金属タイプ
非金属チェーンは軽くて比較的扱いやすく、取付けのしやすさや耐久性があり、走行時の振動や騒音が少ないのが特徴です。
以前は金属タイプのチェーンに比べると価格が高めと言われていましたが、現在はチェーンの主流になっていることもありコストパフォーマンスにも優れます。非金属チェーンはおよそ50キロ以下の走行速度を想定し設計されています。
- タイヤチェーンの着脱に用意しておきたいもの
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チェーンの着脱のために、防寒着、長靴、グローブ、ジャッキ、ショベルやスコップ、懐中電灯、ウェットタオル、毛布などを用意しておくことをおすすめします。
- タイヤチェーン装着後の注意点
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靴やブーツについた雪をしっかり落とします。靴底に雪がついたまま運転すると滑ってアクセルやブレーキペダルを踏み外してしまうケースがあり大きな事故につながりかねません。
またチェーンがしっかりとタイヤに装着されているか、外れてしまわないか、低速で走行して確認するようにしましょう。
まとめ
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凍結路面ではあらかじめ危険な場所を予見するとともに慎重に運転することが求められます。また十分な備えをもって対処することでより安全かつ安心に冬のドライブを楽しむことができます。
オートバックスは8年連続でタイヤ販売店No.1に選ばれました(JMAR「タイヤに関する調査(2024年)」)。
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スタッドレスタイヤをお求めの際は最寄りのオートバックスもしくはオンラインショッピングサイトをぜひご活用ください。スタッドレスタイヤはもちろん各種チェーンのほか豊富な冬のアイテムをご用意しています。
- スタッドレスタイヤ交換の予約は可能?
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新規でご購入の場合と、既にお持ちのタイヤでの交換により受付状況が異なります。
作業ご希望の店舗にお問い合わせください。
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- スタッドレスタイヤ交換の時期はいつがいいの?
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地域によって異なりますが、10月~12月が交換のピークになります。
ピーク期間は作業の待ち時間が多く発生してしまうため、お早目の交換をオススメいたします。
また新品タイヤの場合、ならし運転として100km以上の距離を走行することで、
タイヤの表皮がはがれてタイヤ本来の性能を発揮されるようになります。新品装着時こそ早めの交換をオススメします。