① 走行安定性の向上
トレッドが広がると車体の安定感が増すことから走行安定性が向上します。またそれに伴って乗り心地の安定感向上をはかることも可能です。
② 乗り心地の向上
ワイドトレッドスペーサーを装着すると、車軸と連動して車体の駆動力を受け止めているサスペンションの支点とタイヤとの距離も変わります。ジオメトリー(幾何学)が変わり、サスペンションはより小さな力で大きな動きができるようになるのです。この作用によってサスペンションが柔らかくなったように感じられることもあるでしょう。乗り心地がしなやかになるといわれるのはこのためです。
③ コーナリング時の安定性向上
ワイドトレッドスペーサーを装着すると、ロールセンターが車体の重心点に近くなります。ロールとはコーナリング時に車体が左右に傾く力のことで、その傾きの中心点がロールセンターです。ロールセンターと車体の重心が近づくことによりコーナリング中のロール力が低くなることから、コーナリング時の安定感が増すのです。
① ハンドリング性能の悪化
自動車には、ハンドル操作によって動く車軸の点とタイヤの接地面の距離が遠くなればなるほど、ハンドル操作の取り回しが重くなる傾向があります。
このためトレッドを広げるとハンドリング性能が悪化する可能性があるのです。ワダチにハンドルをとられやすくなるといえばイメージしやすいかもしれません。
② バネ下加重の増加
車体各部の重さはサスペンションの動きと働きに影響を与えています。特にサスペンションよりも下側に設置されているホイールやタイヤなど、いわゆる「足まわり」の重量は上側の車体の重量の10倍以上も影響するといわれています。このサスペンション下側の部位の重量は「バネ下加重」と呼ばれています。
ワイドトレッドスペーサーは一定の厚みと大きさがある部品なので、金属の中では軽量なアルミ製であってもそれなりの重量があります。その重さがサスペンションにも多かれ少なかれ影響を与えます。