タイヤ側面に深刻なダメージを受けると現れる症状
ゴムの塊のようのに見えるタイヤですが、内部には金属や特殊な繊維のケーブル、そして帯(ベルト)が入っており、その構造を支えています。ちょうど、ビルのコンクリート壁に骨格として鉄筋が入っているのと似ています。
タイヤ全体を支えているのはカーカス、もしくはカーカスコードと呼ばれるもので、ポリエステルやナイロン、レーヨンなどを編んだものです。このカーカスのおかげで、タイヤはその形を保っていられるだけでなく空気を閉じ込めたり荷重を受け止めることができます。
カーカスの他にも、ベルトと呼ばれる金属の補強帯もありますが、これは地面と接するトレッド面にしか入っていません。つまり、タイヤのサイドウォールにはカーカスコードしか入っていないことになります。
このことからもわかるように、ここはタイヤの弱点であり、タイヤ側面のカーカスコートが切れると内部の空気圧を保持できずそこだけ膨らんでしまうことになります。外から見るとコブ状になっており、このような変形した状態をピンチカットと呼びます。ちなみに、外部から見るとコブ状ですが、ピンチカットを起こしたタイヤをホイールから外して内部(裏側)から見ると、裂傷になっています。