車検費用の相場とは?法定費用・車検基本料金の内訳や低く抑える方法
車を公道で運転するなら車検を必ず受けなければなりませんが、車検を受けるためには、費用がかかります。
車検にかかる費用は、依頼する車検取扱業者や車の種別などによって変わってきます。愛車の車検費用がどれくらいかかるのか、車検の時期になると気になる人も多いはず。できれば内訳を把握した上で不要なコストを削ったり、車検費用を低く抑えられる車検取扱業者に依頼したりしたいところでしょう。
そこでこの記事では、車検にかかる費用の内訳や車検取扱業者ごとの費用相場、車検にかかるコストを低く抑える方法や車検費用が高くなるケースなどをご紹介します。
車検にかかる費用の内訳
車検は、車の安全性や環境保全性(公害防止)の確保のために国が定めた検査制度で、正式名称は「自動車検査登録制度」です。
車検の有効期間は、一般ユーザーが所有する「自家用」の車の場合、初度登録から初回検査まで3年間、それ以外の車検(継続検査)だと2年ごとです。車検の有効期間が切れた車を運転すると、30日間の免許停止処分を受けるか、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金を科されます。
車検の有効期間と車検切れについては、下記の記事もご覧ください。
» 車検は何年ごとに受けるの?~車検の有効期間をご紹介します
車検では、下記のような検査を受けることになります。
<車検の検査項目>
・同一性の確認
・外回り検査
・スピードメーター検査
・ブレーキ検査
・サイドスリップ検査
・ヘッドライト検査
・排出ガス検査
・下回り検査
車検にかかる費用には、大きく分けて「法定費用」「車検基本料金」「整備費用」の3つがあります。まずは、これらの費用について解説します。
法定費用
法定費用とは、車検の際に払う手数料や税金・保険料です。法定費用は、車の重さやサイズなどによって異なりますが、検査・登録手数料(印紙代)以外は、どの業者で車検を受けても同じ金額です。
なお、2023年1月から検査・登録手数料(印紙代)と自動車重量税については、キャッシュレス決済が可能になりました。
法定費用の内訳は、次のようになっています。
・登録・検査手数料(印紙代)
登録・検査手数料は、国や独立行政法人自動車技術総合機構などに納める手数料として必要な費用です。手数料分の印紙を購入するため、「印紙代」ともいわれます。
2023年5月時点の登録・検査手数料は下記のとおりです。(3ナンバー車、5ナンバー車、軽自動車の場合)
■完成検査終了証の提出時
申請種別 |
登録・検査手数料(印紙代) |
新規検査(OSS) |
1,700円 |
新規検査(OSS以外) |
1,900円 |
■保安基準適合証の提出時
申請種別 |
登録・検査手数料(印紙代) |
新規検査(OSS) |
1,600円 |
新規検査(OSS以外) |
1,800円 |
出典:国土交通省「令和5年1月1日以降の自動車検査手続きに関する手数料一覧」
※OSS(ワンストップサービス):車を保有するための各種手続きや税・手数料納付をオンラインで行う仕組み
・自動車重量税
自動車重量税は、車の重量や初度登録からの経過年数に対してかかる税金です。本来は1年ごとに課税される自動車重量税ですが、初度登録時あるいは車検実施時に、次回車検有効期間までの年数分をまとめて納付します。
普通自動車は重さによって課税金額が異なりますが、軽自動車は重量に関わらず一定です。エコカーの場合はエコカー免税・減税措置が適用されるので安くなります。
2023年5月時点の自動車重量税の税額は下記のとおりです。
■エコカー以外(自家用、初度登録時)
|
税額 |
軽自動車 |
9,900円 |
~0.5t |
12,300円 |
~1t |
24,600円 |
~1.5t |
36,900円 |
~2t |
49,200円 |
~2.5t |
61,500円 |
~3t |
73,800円 |
■エコカー(自家用、初度登録時)
|
免税対象車種 |
75%
減税対象車種 |
50%
減税対象車種 |
25%
減税対象車種 |
軽自動車 |
0円 |
1,800円 |
3,700円 |
5,600円 |
~0.5t |
0円 |
- |
3,700円 |
5,600円 |
~1t |
0円 |
- |
7,500円 |
11,200円 |
~1.5t |
0円 |
- |
11,200円 |
16,800円 |
~2t |
0円 |
- |
15,000円 |
22,500円 |
~2.5t |
0円 |
- |
18,700円 |
28,100円 |
~3t |
0円 |
- |
22,500円 |
33,700円 |
出典:国土交通省「自動車重量税額について」
※軽自動車以外は普通自動車(5ナンバー車・3ナンバー車)
・自賠責保険料(強制保険)
自賠責保険料は、自動車損害賠償保障法にもとづいて、すべての車に加入が義務付けられている保険です。「強制保険」とも呼ばれます。
車検を受ける際は、次回車検有効期間を満たすために、自賠責保険の更新を行わなければなりません。自賠責保険に加入していない車で公道を走行すると、法律違反となるので注意が必要です。
2023年5月時点の自賠責保険料額は、下記のようになっています。
■自賠責保険の保険料額(沖縄以外、24ヶ月加入の場合)
種別 |
自賠責保険料(強制保険) |
普通自動車(3ナンバー車・5ナンバー車) |
17,650円 |
軽自動車 |
17,540円 |
出典:一般社団法人日本損害保険協会「自賠責保険料の試算」
車検基本料金
車検基本料金は、車検に合格できるかどうかを点検する費用と、検査を実施するために必要な書類作成や検査を代行する手数料です。
内訳としては、「24ヶ月点検」「測定検査料」「車検代行(書類作成含む)費」などが含まれています。車検基本料金は、車検取扱業者によって料金が異なります。
ちなみに、オートバックスでは、早期予約割引特典・リピート割引特典を用意している店舗もあります。
整備費用
整備費用の内訳は、交換する部品代と作業工賃です。業者だけでなく、車の状態や希望する整備レベルによって費用が変わるので注意が必要です。
オートバックスの車検では、整備レベルは下記の3つに分けています。
レベル |
整備内容 |
内容 |
1 |
車検時に必須 |
車検を受ける際に、整備・交換をしなければ検査に合格しない項目 |
2 |
性能維持や不具合防止のためにおすすめ |
自動車メーカーや部品メーカーが交換を推奨している項目や、消耗部品のために定期交換が必要な項目 |
3 |
快適なカーライフを過ごすためにおすすめ |
快適かつ安心・安全なカーライフを提供するために、整備士がおすすめする項目 |
-
レベル1は保安基準をクリアするための必須整備ですが、レベル2はオートバックスがおすすめしている整備で、レベル3はエアコンフィルターの交換など、お客様にさらに安心・安全にカーライフを楽しんでいただくためのオプション整備です。
オートバックスの「メンテナンスパック」では、オプション整備だけでなく、エンジンオイルの交換などのメンテナンス費用や法定点検費用、車検基本料金も含まれるプランが用意されているのでおすすめです。
» 安心をひとつにパック「オートバックス メンテナンスパック」
車のカテゴリー別の車検費用相場
車のメーカーや車種によって、車検費用は異なります。ここでは、「軽自動車」「普通自動車」といった車のカテゴリー別の、車検費用相場について解説します。
軽自動車の車検費用の相場
新車で購入した軽自動車を3年目に車検に出す場合、環境基準や申請方法によって異なりますが、法定費用と車検基本料金の費用として約4万円~5万円がかかります。
それに整備費用を合わせると、約6万円~9万円はかかると考えられます。詳しくは以下の記事もご覧ください。
» 軽自動車の車検費用は?車検費用の内訳と安く抑える方法
普通自動車(5ナンバー車)の車検費用の相場
初度登録から3年目の普通自動車(5ナンバー車)の場合、車検に出すといくらかかるでしょうか。
まず、法定費用と車検基本料金は約6万円~10万円、整備費用を合わせると約8万円~14万円はかかると考えられます。
普通自動車(3ナンバー車)の車検費用の相場
普通自動車(3ナンバー車)を初度登録から3年目を迎えて車検に出す場合は、さらに高額になります。
法定費用と車検基本料金の相場は約7万円~14万円、整備費用によって約8万円~16万円かかると考えられます。
輸入車の車検費用の相場
海外で生産された輸入車の場合、費用は一般的に日本車より高額になると言われています。
初度登録から3年目を迎えて車検に出す場合、法定費用と車検基本料金の相場は日本車と大きく変わらず約10万円~14万円です。しかし純正部品は価格が高くなることが多いため、整備費用を合わせると約10万円~18万円になることもあると考えられます。
車検取扱業者別の特徴
車検費用は、車種やメーカーによって異なるほか、車検を行う車検取扱業者や店舗などによっても異なります。
ここでは、車検取扱業者(カーディーラー、カー用品店、車検専門店、ガソリンスタンド、自動車整備工場、ユーザー車検)ごとの車検費用相場と、車検を依頼するメリット・デメリットについてご紹介します。
カーディーラーの車検の特徴
カーディーラーでの車検は、新車を購入した店舗や同じメーカーの最寄り店舗で行う車検です。
カーディーラーの車検の特徴は、基本的に純正部品を使用すること、そしてメーカー基準の点検整備を行うことにあります。いわゆる、クオリティ重視タイプの車検整備なので、高い安心を得られるのがメリットです。
カー用品店の車検の特徴
カー用品店は、店舗で取り扱っている交換部品のラインナップが豊富です。そのため、予算や自分の好みに合わせて、車検の際に交換する部品を選ぶことが可能になります。
また、どこまでの整備や部品交換を行うのか、カー用品店のスタッフとじっくり相談ができることもメリットです。クオリティとコストの調整が可能な、「バランス重視タイプ」の車検整備といえるでしょう。
ガソリンスタンドの車検の特徴
生活圏内にある複数のガソリンスタンドの中から家に近いといった条件や価格が安いといった自分にあった様々な条件で選択できる点が車検を依頼するメリットと言えるでしょう。
自動車整備工場の特徴
長いあいだ車の修理や整備などを行ってきている自動車整備工場であれば、高い技術力や専門知識を持っているのはメリットといえるでしょう。
ユーザー車検の特徴
ユーザー車検の費用相場は、約3万円~6万円といわれています。
車を自分で運輸支局に持ち込めば、お店に頼んだ際に掛かる点検・整備費用や代行手数料などが不要になり、車検費用を安く抑えられるのは大きなメリットです。
しかし、車検に通らなかった場合には自分で不具合箇所を整備し、再度検査を受ける必要があります。忙しい人や車の整備経験がない人には高いハードルといえるでしょう。
車検費用を安くする方法
車検費用は数年に一度とはいえ、大きな出費です。車検費用をできるだけ安くするためには、いくつかの方法があります。
複数の車検見積もりを比較して交換部品や整備内容を決める
車検費用が高くなる理由の1つとして、予防整備があります。
カーディーラーやカー用品店などに車検見積もりを依頼する際は、予防整備の範囲(交換部品や整備内容)について比較検討するようにしましょう。
日常的なメンテナンスを行っておく
車検時にしか車のメンテナンスを行わないと、日頃、車にかかっている負荷やトラブルの前兆を一気に点検・整備することになるので、結果的に車検費用は高くなってしまいます。
しかし、日常的に部品のチェックや交換などのメンテナンスを行っておけば、車検時に大きな出費になる事態を回避することができます。
定期的なオイル交換やバッテリーチェックをしていれば、車検時の出費を抑えることはもちろん、整備不良による路上停止などのトラブルも避けられます。
車検費用を分割払いにする
車検にかかる費用は、法定費用以外の車検基本料金や整備費用であれば、ローンや分割分割払いが可能です。
分割払いにすれば、高額な車検費用を月ごとに分散できます。また、クレジットカードの分割払いであれば、クレジットカードのポイントがつくのもメリットといえるでしょう。
ただし、分割払いにすると金利がつくため、支払総額としては高くなることに注意してください。
車検費用が高くなるケース
車検にかかる費用は、さまざまな条件によって高くなることがあります。ここでは、車検費用が高くなるケースについて解説します。
初度登録から13年以上経過している
車の法定費用の1つである自動車重量税は、初度登録から13年経過すると増額され、18年経過するとさらに上がります。
増額の比率は下記のとおりです。この自動車重量税の増額が、車検費用が高くなる一因になります。
■自動車重量税の増額(自家用、継続検査時、エコカーの場合)
|
免税対象車 |
減税対象車 |
軽自動車 |
0円 |
5,000円 |
~0.5t |
0円 |
5,000円 |
~1t |
0円 |
10,000円 |
~1.5t |
0円 |
15,000円 |
~2t |
0円 |
20,000円 |
~2.5t |
0円 |
25,000円 |
~3t |
0円 |
30,000円 |
■自動車重量税の増額(自家用、継続検査時、エコカー以外の場合)
|
13年未満 |
13年以上 |
18年以上 |
軽自動車 |
6,600円 |
8,200円 |
8,800円 |
~0.5t |
8,200円 |
11,400円 |
12,600円 |
~1t |
16,400円 |
22,800円 |
25,200円 |
~1.5t |
24,600円 |
34,200円 |
37,800円 |
~2t |
32,800円 |
45,600円 |
50,400円 |
~2.5t |
41,000円 |
57,000円 |
63,000円 |
~3t |
49,200円 |
68,400円 |
75,600円 |
出典:国土交通省「自動車重量税額について」※軽自動車以外は普通自動車(5ナンバー車・3ナンバー車)
低年式や多走行で整備箇所が多い
車は初度登録から年数が経つにつれ、各部品が劣化していきます。
エンジンやトランスミッション、ドライブシャフトなど、車体内部の駆動系が劣化すると交換部品が高額になる上、整備にも手間がかかるため交換基本工賃が多くかかります。結果的に、車検費用が高額になるでしょう。
また、走行距離が100,000kmを超えると、仮に年式が浅くても、走行に関する部品の耐用年数を迎えやすくなります。
車検を受けるのに必要な書類
車検取扱業者に車検を依頼する場合は、次のような書類を事前に用意する必要があります。ユーザー車検においても必要になるので、車検の時期になったら確認しておくようにしましょう。
<車検に必要な書類>
・自動車検査証(車検証)
・自動車損害賠償保険証明書(自賠責保険証)
※場合によっては、自動車(種別割)納税証明書・軽自動車(種別割)納税証明書も必要
オートバックス車検に依頼するメリット
車検はカーディーラーや車検専門店など、さまざまな業者で行うことができます。しかし、業者によって金額や整備内容は異なりますので、車検見積もりのときの金額差だけでなく、オプションサービスなどを含めて総合的に判断すべきでしょう。
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車検については、こちらからどうぞ。
» オートバックス車検|サービス紹介
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車検費用が高くなる理由の1つは、日頃のメンテナンス不足です。
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