アクアのバッテリー交換は他の車種と違う?補機用バッテリーとは?
プリウスの弟分であり、コンパクトなハイブリッドカーとして人気のアクア。アクアには2011年に登場した初代と2021年にフルモデルチェンジした2代目があります。
初代については10年以上のロングセラーモデルになっており、ハイブリッドカーの要ともいえるバッテリーが交換時期に差し掛かっているアクアも少なくありません。
そこで、ここでは初代アクアのバッテリー交換について解説します。
アクアのハイブリッドシステムとは?
プリウス譲りのスプリット式ハイブリッドシステムを搭載
アクアのハイブリッドシステムはプリウス譲りのスプリット式です。スプリット式の特徴は、エンジンとモーターを協調させて走れるのに加えて、モーターだけの力で走行できることです。エンジンとモーターをそれぞれ別々に(スプリットして)制御できるのがその方式名の由来になっています。
ハイブリッドシステムにはアクアのスプリット式以外にも、発電機であるオルタネーターがモーターの役割も担うパラレル式や、エンジンが発電機に徹してモーターだけで走るシリーズ式などがあります。
アクアのスプリット式はエンジンを止めてモーターだけで走行できるようにするため、これらパラレル式やシリーズ式に比べると容量の大きなバッテリーを搭載しています。
アクアに搭載される2種類のバッテリー
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走行中にモーターへ電力を供給するバッテリーは、駆動用バッテリー(メインバッテリー、ハイブリッドバッテリー)と呼ばれます。
アクアにはこの駆動用バッテリーに加え、一般的なガソリン車などと同様に12Vの補機用バッテリー(サブバッテリー)も搭載しています。
- 駆動用バッテリー(メインバッテリー)の役割
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駆動用バッテリーの役割は走行中にモーターへ電力を供給するのに加え、エンジンが発電した電力やブレーキから回生した電力を蓄えておくことにあります。
- 補機用バッテリー(サブバッテリー)の役割
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大容量の駆動用バッテリーを搭載しているにもかかわらず補機用バッテリーを積んでいるのは、それぞれの役割が異なるからです。補機用バッテリーは灯火類に加えカーナビゲーションシステムやドライブレコーダーといった電装品に電力を供給します。
またハイブリッドシステムの起動のためにも利用されます。このため、補機用バッテリーが上がってしまうと駆動用バッテリーに十分な電力が蓄えられていても、アクアは走り出すことができません。一般的な車と同様に補機用バッテリーの役割は重要です。
駆動用バッテリーの交換時期・位置・交換方法・交換費用の目安
- アクアの駆動用バッテリーの交換時期
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アクアの駆動用バッテリーにはニッケル水素電池が採用されています。ニッケル水素電池にも寿命があり、走らせ方や走行条件によって異なります。その保証は新車登録した日から5年間、その期間内であっても走行距離が100,000kmに達するまでとなっています。
ただし実際には「約10年使えた」や「15万~20万km走れた」といった声も少なくありません。
- アクアの駆動用バッテリーの交換時期はバッテリーの状態に着目
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アクアの駆動用バッテリーの交換時期は、期間や走行距離だけではなく実際のコンディションに着目します。
具体的には、
・運転席のモニターにあるバッテリー容量計が減ったまま
・モニターに「バッテリーの電圧異常」といったメッセージが表示
・エンジンチェックランプやハイブリットシステムウォーニングランプが点灯
といったことを目安に判断します。
診断機でチェックして「HVバッテリー内部電圧異常」などが検知されたら、駆動用バッテリーを交換する必要があります。
また、モニター表示や警告灯の点灯がなくても燃費が悪くなってきたら駆動バッテリーが劣化している可能性があります。この場合も診断機で点検を受けることをおすすめします。
- アクアの駆動用バッテリーの位置
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アクアの駆動用バッテリーは後部座席の座面の下に配置されています。スペースを有効利用する目的に加え、そもそもバッテリーは重いため低い位置に搭載することで低重心を図っているからです。また万一の事故の際にも衝撃を受けて変形したり発火しないようにといった配慮もあります。
- アクアの駆動用バッテリーの交換方法
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アクアのハイブリッドシステムは高電圧回路でありバッテリーの電圧は200V以上になっているので、取り扱いには注意が必要です。ドライバーご自身で交換するのはおすすめしません。カーディーラー、カー用品店、整備工場などに交換作業を依頼しましょう。
- アクアの駆動用バッテリーの交換費用
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アクアの駆動用バッテリーを交換するには、バッテリーの購入費用に加え交換工賃、テスターによる診断料などが発生します。交換費用の総計は16万円~20万円程度が目安になります。
ただしリサイクル品やリビルド品と呼ばれる中古の再生バッテリーを使えば費用を8万円~14万円程度に抑えることもできます。中古バッテリーを利用する場合は保証の有無や保証期間の長さも確認しましょう。
補機用バッテリーの交換時期・位置・交換方法・交換費用の目安
アクアの補機用バッテリーの交換時期
一般的なガソリン車などと同じようにアクアの補機用バッテリーも消耗品です。使用による経年変化や劣化は避けられませんので定期的な交換が必須です。
アクアの補機バッテリーの耐用年数は約3年となっています。ただし次のような症状がみられたら、耐用年数にかかわらず交換しなければならないといえます。バッテリーの診断を受けて必要に応じて交換するようにします。
- バッテリー交換が必要になる症例
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・ハイブリッドシステムが起動しない
・パワーウインドウやミラーの開閉が遅い
・ヘッドライトが暗い
・バッテリー液の変色がみられる
・バッテリーの電圧低下がみられる
- アクアの補機用バッテリーの位置
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アクアの補機用バッテリーは運転席側の後部座席座面の下に駆動用バッテリーと並ぶように配置されています。
- アクアの補機用バッテリーの型式
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アクアの補機バッテリーには必ずハイブリッド専用バッテリーを利用しなければなりません。鉛バッテリーは充電時にバッテリー液が水素分解されるので水素ガスが発生します。一般的なバッテリーは発生したガスが容器の外に放出されるようになっています。
アクアの補機バッテリーは室内に配置されているので、一般的なバッテリーを代用すると車内に水素ガスが充満して大変危険です。
ハイブリッド専用バッテリーはVRLAタイプになっています。VRLAとは「Valve-Regulated Lead-Acid」の略で、水素ガスや酸霧の発生が少なく酸素ガスをマイナス極板で吸収する構造になっています。補水が不要であるのに加えて発生した水素ガスを放出する制御弁が備わっており、アクアではここに排気バルブを接続することでガスを車外へ排出する仕組みになっています。
- アクアに適合するハイブリッド専用バッテリー
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アクアに適合する補機用バッテリーは「S34B20R」もしくは「LN0(エルエヌゼロ)」のいずれかになります。初代アクアは2017年6月にマイナーチェンジを受けており、それ以前は「S34B20R」、それ以降は「LN0」が適合します。また、2代目アクアも補機バッテリーに「LN0」を採用しています。
・S34B20R
・LN0
「S34B20R」についてはケースのサイズが同じで、より容量の大きな「S40B20R」に替えることもできます。ドライブレコーダーなどの電装品を多用するのであれば、「S40B20R」をおすすめします。
- アクアの補機用バッテリーの交換費用
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補機用バッテリーの交換費用はバッテリー購入代金と交換工賃を合算したものになります。
オートバックスではS40B20Rが税込33,000円前後、LN0が税込30,000円前後で入手できます。交換工賃については基本工賃が税込2,200円(税込)~となります。
ただしアクアはバッテリーを後部座席の座面下に配置しているため交換のための作業手順が多く、追加の工賃が発生しますので詳細はお近くの店舗へお問い合わせください。
オートバックスでアクアのバッテリーを交換いただくメリット
- メモリーバックアップが万全
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アクアの補機用バッテリーを交換するとき、メモリーバックアップを行うことでカーナビやオーディオの設定データが消えてしまうことを防ぎます。オートバックスではアクアのバッテリー交換時にこのような作業を適切に行なうことで、交換後にお客様が再設定しなければならない手間や面倒を減らします。
まとめ
アクアは走行用の駆動バッテリーに加えて、一般的な車と同様に12Vの鉛バッテリーを搭載しています。この補機用バッテリーは約3年が交換目安で、劣化が進むとハイブリッドシステムを起動できなくなることもあります。また補機用バッテリーはアクアに適合する型番を選ぶのはもちろん、必ずハイブリッド専用のものを利用します。一般のバッテリーでは代用できません。
アクアのバッテリーについて、適合する型番がわからないなどバッテリー選びに不安を感じたら、お近くのオートバックスへお気軽にご相談ください。
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