エンジンオイル交換の上抜きと下抜きとは? メリットとデメリットを解説

エンジンオイルの交換は、使い古したオイルを抜き取ってから新しいオイルをエンジンに注ぎますが、エンジンオイルを抜き取る方法には「上抜き」と「下抜き」があります。いずれも正しい抜き取り方法ですが、それぞれにメリットとデメリットがあります。また、お乗りになっている車との相性もあります。ここでは、それぞれの抜き取り方法について紹介するとともに、どちらの抜き取り方法がお乗りのお車に適切なのかを解説します。

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エンジンオイル交換の上抜きと下抜き

結論として、どちらの抜き取り方でも問題なし

オイル交換作業
エンジンオイル交換の理想を追求するとすれば、それは古いエンジンオイルを完全に抜き取って新しいオイルに入れ替えることになります。そこで、しばしばエンジンオイルを抜き取るときは、上抜きにするべきか、下抜きにするべきかといったことが話題になります。

結論から申し上げると、どちらの抜き取り方法でも問題ありません。いずれも十分にエンジンオイル交換として有効な方法ですが、もちろんそれぞれにメリットとデメリットがありますので、天秤にかけながら選択することができます。

また、お乗りの車種によっては、そもそも上抜きができない場合、下抜きより上抜きの方で効率が良い場合などがあります。
上抜きと下抜きの違い
エンジンオイルの上抜きは、エンジンオイルのレベルゲージ(ディップスティック)の穴にチューブを差し込み、古いエンジンオイルを吸引する方法です。一方、エンジンオイルの下抜きは、エンジン下部にあるオイルパン(オイル溜まり)に設けられたドレンボルトを外してオイルを抜く方法です。吸引する上抜きに対して、下抜きは自然落下によるものです。

エンジンオイル交換時の上抜きのメリット

作業工程がシンプルで安全

オイル交換作業
上抜きのメリットはエンジンフードを開けたところにあるレベルゲージの穴を利用するので、車の下に潜り込んで作業する必要がありません。つまり、ジャッキアップしなくても良いことになります。

車のジャッキアップは簡単なようでありながら、侮るとトラブルが起きやすい作業でもあります。上抜きではこのプロセスを省けるので、エンジンオイル交換がより安全かつ確実です。
古いオイルの残る量が少ない
オイルパンの低い位置までチューブが届く車種であれば、ほぼ完全に古いオイルを吸い取ることができます。ただし、この点に関しては車種にもよります。
抜き取りにかかる所要時間が短い
自然落下を待つ下抜きに対して、上抜きは引圧で強制的にエンジンオイルを吸い上げます。そのため、抜き取りにかかる時間が短いのもメリットのひとつです。ピット作業を待つ時間が短いことになります。
ドレンボルトのない車種でも抜ける
ごく一部の輸入車ではエンジンのオイルパンにドレンボルトが備わっていないものもかつては存在していました。そのような車種であってもエンジンオイルを抜き取ることができるのも上抜きのメリットです。
作業性が良くて床を汚しにくい
上抜きは作業工程がシンプルであるため、古いオイルも扱いやすく、うっかりオイルで床を汚したりといったことも少なくなります。

エンジンオイル交換時の上抜きのデメリット

オイルチェンジャーが必要

オイルチェンジャー
エンジンオイルの上抜きには、道具としてオイルチェンジャーが必要です。オイルチェンジャーには手動式やエア式、電動などがあり、簡易な手動式であれば1万円以下で入手可能です。

オートバックスのピットでは業務用のオイルチェンジャーを利用していますが、このような専用機材が必要になることろも上抜きのデメリットに数えられます。
上手に抜けないことがある
レベルゲージの取り回しが複雑であったり、レベルゲージの穴が備え付けられた位置が特殊であったり、オイルパンの中にオイル偏り防止のバッフル(仕切り板)がある場合、エンジンオイルをうまく上抜きできないことがあります。これは車種によります。
油温が低いと抜けにくい
エンジンオイルという液体を吸引するため、油温が低いとオイルが硬く、効率よく吸引できないことがあります。冷えたアイスシェイクをストローで吸うのが大変なのと同じです。前もってエンジンをかけて、エンジンオイルを温めておくことで解決できます。

エンジンオイル交換時の下抜きのメリット

専用機材を必要としない

オイル交換作業
オイルチェンジャーといった機材も要らないので、その点においては手軽な方法とも言えます。また、車種によっては上抜きよりも古いエンジンオイルを残すことなく抜き取れます。
オイルレベルゲージのない車でも抜ける
エンジンオイルの量をセンサーで読み取ってメーター表示するような車種では、オイルレベルゲージが備わっていません。そのような車種では下抜きが必須となっています。

エンジンオイル交換時の下抜きのデメリット

ジャッキアップしなければならない

ジャッキアップ
エンジンオイルを下抜きするデメリットは、車をジャッキアップしなければならないことです。ジャッキアップのためには、ジャッキの他にウマとも呼ばれるリジットトラックなどの機材が必要になります。

また、フロントだけをジャッキアップした場合、車種によってはオイルパン内部のオイルが後方に偏ってしまうことがあります。これによってオイルパンに古いエンジンオイルがたくさん残ってしまうケースがあります。

オートバックスのピットに備え付けられた門型のリフトではお車の水平を保ったままリフトできるので、このような心配がありません。
より手間がかかる場合がある
車種によっては、車体の下部を覆うように取り付けられたフロアアンダーパネルを外さなくてはならないこともあります。こういった手間も下抜きのデメリットのひとつです。
作業工程が多い分だけトラブルが発生する確率もアップ
下抜きでは、ドレンボルトの脱着を行わなければなりません。アルミ製のオイルパンでネジ山をなめることがあるので注意が必要です。また、ドレンボルトのワッシャーは再利用ができないので新しいワッシャーを用意する必要があります。

上抜きと下抜きで交換費用と作業時間は異なる?

エンジンオイル交換費用は基本的に同じ
エンジンオイル交換において、上抜きの場合と下抜きの場合とでは作業工賃が異なるのでしょうか?一般的にはどちらの工賃も同じです。ただし下抜きでは、ドレンボルトのワッシャーの交換費用が加算されることがあります。
上抜きの方がオイルの抜ける時間が短くて作業待ちも短い
作業時間については、下抜きの方が作業待ちの時間が長くなりがちです。理由としては、ジャッキアップやパネルの脱着、ドレンボルトの脱着など、作業手順が多いからです。また、上抜きがオイルチェンジャーを使って吸引するのに対して、下抜きはあくまでオイルの自然落下を待たなければならないこともあります。ただし、エンジンオイル交換と同時にオイルフィルターを交換する場合、上抜きも下抜きも車をジャッキアップすることになります。このケースでは上抜きと下抜きに大きな違いはありません。

上抜き、下抜きのどちらに適しているか見極める方法

上抜きを試してエンジンオイルの残り量を確かめる

オイル交換作業
ほとんどの車種に上抜きが適していますが、中には下抜きが適している車種もあります。

これを確認するには、上抜きでエンジンオイルを抜き取った後、車を水平にジャッキアップしてドレンボルトを外します。外したドレンから古いエンジンオイルが流れてこなければ上抜きが適しています。上抜きでしっかりとエンジンオイルが抜き出せている証拠です。

一方、ドレンから古いエンジンオイルが流れてくるようであれば、下抜きが適しています。もちろん、エンジンオイルが数滴垂れてくるくらいであれば気にする必要はありません。

オートバックスのエンジンオイル交換

オートバックスでは車種に応じて最適な抜き取り方法を実施

接客シーン
オートバックスでは、車種に応じて上抜き、下抜きともに最適なエンジンオイルの抜き取りを行っています。事前にお客様にご要望いただければ、いずれの抜き取り方法にも対応できますので遠慮なくお申し付けください。
オートバックスがおすすめするエンジンオイル交換頻度
エンジンオイル交換は走行距離5,000kmに一度、もしくは半年に一度をおすすめしています。シビアな条件で走行されている車やターボエンジンを搭載する車では走行距離2,500km、もしくは3ヶ月に一度がおすすめです。

オートバックスの公式アプリでエンジンオイル交換を記録する

オートバックスの公式アプリに追加された機能「車のカルテ」を利用すると、前回のエンジンオイル交換はいつだったのか、タイミングや走行距離はもちろんのこと、どのエンジンオイル銘柄を利用したのか等、オートバックスにおけるピット作業の内容が自動的に記録されます。

そのため、次回の適切なエンジンオイル交換の時期を逃すことがありません。

オートバックスならいつでもどこからでもオイル交換を予約できる

オートバックスでは公式ウェブやアプリを使って、365日24時間いつでもどこからでもエンジンオイル交換を予約することができます。

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まとめ

接客シーン
エンジンオイル交換の際に古いエンジンオイルを抜き取る方法には、上抜きと下抜きがあります。抜き取り方法は車種に合わせて最適な方法を選ばなくてはなりません。上抜きのメリットは作業がシンプルで古いオイルの残り量も少ないこと、下抜きのメリットはオイルチェンジャーが必要ないこと、オイルフィルターを同時に交換しやすいといったことが挙げられます。

いずれの方法でもエンジンオイル交換の工賃は同じであることが一般的ですが、作業の待ち時間の短さは上抜きに軍配が上がります。オートバックスであればいずれの抜き取り方法にも対応しており、車種に合わせて最適な方法を実施させていただきます。エンジンオイル交換にはぜひオートバックスをご利用ください。
オイル交換とはなにを指す?
オイル交換の『オイル』とは、一般的に自動車のエンジンオイルを指します。
種類は鉱物油・部分合成油・全合成油があります。
車種やエンジン特性、気候条件をはじめとする地理的な環境、使い方などによって、適合するエンジンオイル粘度が変わります。
安全で快適なカーライフのためには、最適なオイルを選ぶとともに、適切なタイミングで定期的に交換することが大切です。
オイル交換の頻度を多くするとどうなる?
エンジンオイル交換をやりすぎることによる問題は特にありません。
シビアコンディションと言われるエンジンに負担がかかるような状況が多い場合は、早めの交換がおすすめです。
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