ハイエースに最適なエンジンオイル交換のタイミングとは?種類・費用・ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違いについても解説

ハイエースはフロントボンネットのないキャブオーバースタイルの商用バンです。スペース効率が良く、ビジネス用途だけでなくレジャー用途にも幅広く愛用される人気車種となっています。もともと商用車ですので耐久性が高く、長く乗り続けられるのも特徴となっています。

タフな作りのハイエースではあるものの、長く良いコンディションを維持するには適切なメンテナンスが欠かせません。業務にレジャーに、活躍して走行距離が伸びがちという点では、一般的な乗用車以上にケアする必要があると言えます。

この記事ではハイエースのメンテナンスの要となるエンジンオイル交換について解説します。

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ハイエースのエンジンの種類と指定オイル粘度

搭載されるエンジンはガソリンとディーゼル

2004年8月に5代目ハイエースが登場しました。その型式から「200(ニヒャク)系」と呼ばれる現行ハイエースは、登場から数えて20年が目前に迫るロングセラーモデルです。

ハイエースのエンジンにはガソリンとディーゼルの2種類があり、それぞれにバリエーションがあります。また、生産期間が長いこともあり、ディーゼル車についてはマイナーチェンジごとに異なるエンジンが搭載されています。

そこでガソリンエンジンとディーゼルエンジン、それぞれメーカー指定のオイル粘度からご紹介します。

ハイエースのガソリンエンジンと指定オイル粘度

ハイエースのガソリンエンジンは2004年の登場から現在まで排気量2.0Lと2.7Lの2種類があり、いずれもエンジン型式は変わらず同じですがマイナーチェンジの度に変更が加えられてきました。

例えば2014年12月には2.0Lガソリンエンジンに可変バルブ機構の「Dual VVT-i」が採用されていて、同じ型式のままであってもエンジンオイル交換時に必要な量が異なったりしています。

■2.0Lガソリン 1TR-FE[2004年8月登場]
メーカー指定の推奨粘度:5W-20
必要オイル量:5.0L
必要オイル量[オイルフィルター(オイルエレメント)交換時]:5.5L

■1TR-FE[2012年4月のマイナーチェンジ以降]
メーカー指定の推奨粘度:0W-20
必要オイル量:5.0L
必要オイル量[オイルフィルター(オイルエレメント)交換時]:5.5L

■1TR-FE[2014年12月のマイナーチェンジ以降]
メーカー指定の推奨粘度:0W-20
必要オイル量:4.9L
必要オイル量[オイルフィルター(オイルエレメント)交換時]:5.3L

■2.7Lガソリン 2TR-FE[2004年8月登場]
メーカー指定の推奨粘度:5W-20
必要オイル量:5.0L
必要オイル量[オイルフィルター(オイルエレメント)交換時]:5.5L

■2TR-FE[2012年4月のマイナーチェンジ以降]
メーカー指定の推奨粘度:0W-20
必要オイル量:5.0L
必要オイル量[オイルフィルター(オイルエレメント)交換時]:5.5L

■2TR-FE[2014年12月のマイナーチェンジ以降]
メーカー指定の推奨粘度:0W-20
必要オイル量:4.9L
必要オイル量[オイルフィルター(オイルエレメント)交換時]:5.3L
ハイエースのディーゼルエンジンと指定オイル粘度
ハイエースのエンジンは大きく分けて3種類あります。デビュー時に搭載された2.5Lディーゼル、2007年8月のマイナーチェンジで搭載された3.0Lディーゼル、そして2017年11月のマイナーチェンジで搭載された2.8Lディーゼルです。

大きな変化があったのは3.0Lディーゼルで、このエンジンからディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)が装着されています。

このDPFは排気ガスに含まれるPM(粒子物質)をキャッチする浄化装置ですが、PMが目詰まりの原因になるのでポスト噴射と呼ばれるプロセスでフィルターのPMを燃やすようになっています。このときの噴射でエンジンオイルが軽油で希釈される問題がありますが、これはハイエースに限らず、ポスト噴射を行うすべてのディーゼルエンジンに共通するものです。

後述しますが、DPRが備わったディーゼルエンジンには「DL-1」規格のエンジンオイルを利用しなければなりません。
■2.5Lディーゼル 2KD-FTV[2004年8月登場]
メーカー指定の推奨粘度:10W-30
必要オイル量:6.3L
必要オイル量[オイルエレメント(オイルフィルター)交換時]:6.5L

■3.0Lディーゼル 1KD-FTV型[2007年8月マイナーチェンジ以降]
KDH201V、KDH201K、KDH211K、KDH221K
メーカー指定の推奨粘度:5W-30

KDH201V、KDH201K、KDH211K、KDH221K
必要オイル量:5.0L
必要オイル量[オイルフィルター(オイルエレメント)交換時]:5.2L

KDH206K、KDH206V
必要オイル量:5.5L
必要オイル量[オイルフィルター(オイルエレメント)交換時]:5.7L

■1KD-FTV型[2010年7月マイナーチェンジ以降]
メーカー指定の推奨粘度:0W-30

KDH201K、KDH201V、KDH211K、KDH221K
必要オイル量:6.6L
必要オイル量[オイルフィルター(オイルエレメント)交換時]:6.8L

KDH206K、KDH206V
必要オイル量:6.8L
必要オイル量[オイルフィルター(オイルエレメント)交換時]:7.0L

■2.8Lディーゼル 1GD-FTV型[2017年11月マイナーチェンジ以降]
メーカー指定の推奨粘度:0W-30
必要オイル量:5.5L
必要オイル量[オイルフィルター(オイルエレメント)交換時]:6.1L

ハイエースのエンジンオイル「粘度」表記の見方

SAE規格で表される「例:0W-30」

ハイエースのエンジンオイルを選ぶときは、粘度表記に注目しましょう。車のエンジンオイルの粘度はSAE(アメリカ自動車技術者協会)規格で表示されることが一般的になっています。この粘度表記はガソリンエンジン、ディーゼルエンジンに共通です。

■0W-30の場合

エンジンオイルに求められる大切な性能のひとつは、広い温度帯で粘度が安定していることです。ここで例に挙げた0W-30といった表記はマルチグレードと呼ばれます。

0W-30の左項「0W」は低温時の流動性を示しており、この数字が小さいほど流動性に優れています。簡単に言うと、冬季の朝一番でもエンジンがかかりやすいことになります。0W-30の右項「30」は高温時の粘度特性を示しています。数字が大きいほど粘度が高く、高温時でも油膜保持性に優れることを表します。

ちなみに、単に「30」と単一の数字だけで粘度表記されているものはシングルグレードと呼ばれます。現在でも旧車など古い設計のエンジンに使われることがあります。

ハイエースのエンジンオイル「性能(グレード)」表記の見方

API規格で表される「例:SL、SM、SN、SP」

エンジンオイルに求められる性能には、省燃費性・耐熱性・耐摩耗性、環境性能などがあります。これらの性能の高さを表すもののひとつにAPI規格があり、米国石油協会(API)、SAE(アメリカ自動車技術者協会)、アメリカ材料試験協会(ASTM)によって定められています。

性能は「SL」や「SM」、「SN」といったアルファベットで表され、2004年にハイエースがデビューしたときにメーカー指定されていたエンジンオイルの性能は「SL」でした。その後、「SL」→「SM」→「SN」とより高性能なオイルが登場しており、現在では「SP」が最新です。新しいものほど高性能になっています。

「SP」や「SN」の他にも、ディーゼルエンジン向けに「CH-4」や「CI-4」、「CJ-4」といった規格も存在します。これらは主に米国の排ガス規制にマッチするものですので、日本国内ではあまり使われなくなってきています。

また、オイルの性能は「グレード」とも呼ばれることもあります。粘度表記に用いられるマルチグレードやシングルグレードとは意味が異なりますので、混同しないようにしましょう。
ILSAC規格で表される「例:GF-3、GF-4、GF-5、GF-6」
ILSAC規格は日米の自動車工業会(ILSAC)によって取り決められたもので、API規格に省燃費性能の評価を加えたものです。最新のグレードはGF-6であり、API規格とともに「SM/GF-4」「SN/GF-5」「SP/GF-6」などと表記されます。
ディーゼル用のエンジンオイルに表記される「例:DL-1」
日本の環境規制に合わせてJASO(日本自動車技術会)がクリーンディーゼルエンジンのために定めた規格です。ハイエースのディーゼルエンジンは2010年7月のマイナーチェンジでディーゼル微粒子捕集フィルターが備わり、このDPFが備わっているディーゼルエンジンに適合するエンジンオイルが「DL-1」で、DPFの目詰まり寿命の向上や、省燃費性、高温酸化防止性などが規定されています。

また、ディーゼルエンジンにはこの他にもACEA(欧州自動車工業会)が定めた「C5」といった規格も利用されています。

ハイエースにおすすめのエンジンオイル

ハイエースのガソリンエンジンにおすすめのエンジンのオイル

ハイエースのガソリンエンジンには、0W-20、5W-20、5W-30、10W-30といった粘度のオイルを利用します。また性能(グレード)については2012年4月のマイナーチェンジ以前であればSMやSLといったグレードも推奨されており、それ以降はSNが推奨されています。

商業車など、初期のモデルのハイエースをビジネスに使っていて走行距離が著しく伸びる場合、安価なオイルを利用してマメに交換したほうがエンジンに優しいと言えます。もちろん、グレードの高いオイルならベターです。

一方、パーソナルユースでハイエースを大切に扱っているドライバーには、SNやSPといった高性能オイルを使ってエンジンを労りながらコンディションを整えることをおすすめします。

ハイエースのディーゼルエンジンにおすすめのエンジンのオイル

ハイエースのディーゼルエンジンには、0W-30や5W-30、10W-30といった粘度が推奨されています。性能(グレード)についてはDPFが装着されたエンジンには「DL-1」グレードを利用します。

DPF装着車に通常のエンジンオイルを使用すると、フィルター装置の詰まりからの故障やエンジンの破損を招くことがあります。

ハイエースのエンジンオイル量のチェック方法

助手席の座面を上げてオイルレベルゲージでチェック

エンジンを暖気後、水平な場所にハイエースを停めてエンジンを停止します。ハイエースのエンジンはフロントシートの下にありますので、助手席側シートを座面ごと跳ね上げるとエンジンが見えます。

エンジンを切って5分以上経過してからエンジンルームのレベルゲージを使って油面の高さ(油量)を確認します。レベルゲージには上限と下限のマークがあり、その間にオイルの油面があれば適正量です。

ハイエースのオイル交換頻度と費用

ハイエースのオイル交換頻度
ハイエースのエンジンオイルは半年ごと、もしくは走行距離にして5,000kmごとのいずれか早い方の交換をおすすめしています。これはガソリンエンジン、ディーゼルエンジン共通です。また、荷物を満載にして走ることが多い場合や、ストップ&ゴーの連続する渋滞走行が多い、といったシビアコンディションにおいては、3ヶ月ごと、もしくは走行距離2,500kmごとの交換をおすすめします。

ハイエースのオイルフィルター(オイルエレメント)については、エンジンオイル交換2回につき1度の交換がおすすめです。
ハイエースのオイル交換時期を守るメリット
一般的なミニバンがフロントボンネットの下にエンジンを積んでいるに対して、ハイエースはキャブオーバータイプと言われエンジンはフロントシートの真下に積まれています。間には隔壁があるとはいえエンジンルームそのものが居住空間と共存するような配置になってるため、遮音性能を高めにくく、どうしてもエンジンのノイズが室内に広がりがちです。

エンジンオイルにはエンジンの振動や摩擦を低減する働きがあります。エンジンオイルが劣化してきたりエンジンオイルの量が減ると、エンジンからの振動が増える傾向にあります。ハイエースのエンジンオイルを交換することは、振動や摩擦によって生じるノイズを防ぐことつながるメリットがあります。

それだけに、適切なエンジンオイル交換のタイミングを逃すのは避けたいところです。オートバックスの公式アプリにはお客さまの車のメンテナンス情報を一括管理できる「車のカルテ」機能が備わっており設定に応じて通知するようになっておりますので、ハイエースオーナーにとっても大変おすすめの機能です。
ハイエースのオイル交換費用を安くする方法
ハイエースのエンジンはガソリン、ディーゼルともに、交換時に必要となるエンジンオイルの量が多めです。同じ排気量2000ccガソリンエンジンで比べると、ノア/ヴォクシーが3.9Lなのに対してハイエースは5.0Lです(いずれもオイルフィルター交換を含まず)。どうしてもオイル交換の費用はかさみがちです。もちろん交換するエンジンオイルの量を減らすわけにはいきませんので、コスト削減のポイントとなるのは交換工賃といえます。

そこでおすすめしたいのがオートバックスのメンテナンスオプションです。メンテナンスオプションにご加入いただくとオイル交換・オイルフィルター交換の基本工賃が無料になります。メンテナンスオプションの加入価格は、1台につき税込1,100円(※会員ランクによって優遇されます)。

しかも加入期間中は何度でも無料なのに加え、オイルフィルター(オイルエレメント)交換の基本工賃も無料になるので大変お得です。走行距離が伸びがちなハイエースオーナーにおすすめのサービスです。

ハイエースオーナーが絶対に避けたいことは「ハイエースはタフだから、少しくらいエンジンオイル交換をサボっても大丈夫だろう」と考えることです。一般的な乗用車のエンジンに比べて耐久性が高いのは確かですが、正しくメンテナンスすることが大前提です。劣化したエンジンオイルを使い続けるのはエンジンにダメージを与えかねません。

オイル交換の所要時間

ハイエースのエンジンオイル交換にかかる作業時間の目安は、オートバックスの場合は約15分~となっています。作業時間そのものは一般的な乗用車と同程度となっています。

オートバックスであればエンジンオイル交換の予約をしていただくことが可能ですので、待ち時間も最小限ですませていただくことができます。

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まとめ

ハイエースのエンジンにはガソリンとディーゼルがあるのに加え、ロングセラーモデルだけにマイナーチェンジの前後で推奨されるエンジンオイルが異なっています。それぞれに適した粘度、性能、必要量を適切に使うようにしたいところです。

ビジネスに、レジャーに走行距離が伸びがちなハイエースだからこそエンジンオイルの交換サイクルは大切です。

ハイエースのメンテナンスについてはオートバックスではタイヤ交換や車検など幅広くサポートしています。ご不明な点があれば、最寄りのオートバックスまで気軽にお問い合わせください。

オイル交換とはなにを指す?
オイル交換の『オイル』とは、一般的に自動車のエンジンオイルを指します。
種類は鉱物油・部分合成油・全合成油があります。
車種やエンジン特性、気候条件をはじめとする地理的な環境、使い方などによって、適合するエンジンオイル粘度が変わります。
安全で快適なカーライフのためには、最適なオイルを選ぶとともに、適切なタイミングで定期的に交換することが大切です。
オイル交換の頻度を多くするとどうなる?
エンジンオイル交換をやりすぎることによる問題は特にありません。
シビアコンディションと言われるエンジンに負担がかかるような状況が多い場合は、早めの交換がおすすめです。
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