新車の1ヶ月点検でオイル交換は不要?車を長持ちさせるための交換時期を解説

かつては新車が納車されると1ヶ月点検の際にエンジンオイルを交換するのが常識だったこともありました。現在では自動車販売ディーラーが1ヶ月点検時にオイル交換をおすすめしない、もしくは不要とすることが増えているようです。

とはいえ、納車1ヶ月後のエンジンオイル交換は決して無駄ではなく、車を長く乗り続けたいドライバーにとっては今も有効なメンテナンスのひとつです。

今回は車を長持ちさせるための新車のエンジンオイル交換について解説します。

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エンジンオイルの役割

エンジンオイルの例
そもそもエンジンオイルの役割とは何でしょうか。新車のオイル交換の是非を考える上であらためてエンジンオイルの働きを理解しておきたいところです。

エンジンオイルの働きには潤滑作用、防錆作用、密閉作用、応力分散作用、冷却作用、清浄分散作用、酸化防止作用という7つがあります。
潤滑作用
エンジンは金属部品の集合体です。金属部品が往復運動したり回転運動しており摺動部分において摩擦が生じます。エンジンオイルは潤滑作用で摩擦抵抗を抑え、金属部品の摩耗を防ぎつつなめらかにエンジンが回転するようにしています。
防錆作用
エンジン内部の金属部品にサビが発生してしまうとエンジン回転の抵抗になったりエンジンそのものにもダメージを与えてしまいます。エンジンオイルは金属の表面に油膜を形成することでサビの発生を防いでいます。
密閉作用
燃焼室を形成するシリンダーとピストンはピストンリングで密閉性が高められています。シリンダー内壁にエンジンオイルの油膜が形成されることでこの密閉性が高められます。密閉性を高めることでエンジンのパワーロスを抑えています。

応力分散作用

エンジン内部のオイルの動き
燃焼室内の爆発はピストンやコンロッドを通じて伝わりクランクシャフトで回転運動に置き換えられます。このクランクシャフトは軸受に支持されており大きな力が加わります。

エンジンオイルは支持部の隙間に存在することで力を受け止めたり分散させるように働きます。
冷却作用
エンジンオイルはエンジン内部を循環しています。燃焼室まわりの熱を奪い、エンジン下部にあるオイルパン(オイル溜め)で熱を放出し冷却効果を生みます。ちなみに現在では少なくなりましたが、空冷エンジンは走行風だけでエンジンを冷やすのではなくこのエンジンオイルの冷却作用にも依存していました。このことから油冷エンジンとも言えます。
清浄分散作用
エンジンオイルにはエンジン内部に発生したスラッジや金属の微粒子を包み込み、オイルフィルターで濾過する働きがあります。これがエンジンオイルが真っ黒になる理由です。黒く汚れてしまうことは清浄分散作用が失われてしまう兆候であり、交換が必要になります。
酸化防止作用
エンジンオイルは燃料の未燃物質が混入してしまうことで徐々に酸化してしまいます。この酸化を防止する役割も備えています。

エンジンオイルの交換サイクル

エンジンオイルは使用時間の経過と走行距離の増加とともに劣化し、エンジンオイルの役割である7つの働きが徐々に衰えます。効果が衰えたエンジンオイルは新しく交換することによって働きを取り戻します。

おすすめしているエンジンオイルの標準的な交換サイクル
6ヶ月ごと、もしくは走行距離5,000kmごとに交換
コンディション(乗り方・環境)によって早まる交換サイクル
車の使い方や乗り方によってエンジンオイルのダメージが異なり、劣化の進み具合も違うのが実情です。ハードな使われ方をしている車ならエンジンオイルはより早く劣化します。このような使用状況をシビアコンディションと呼びます。

シビアコンディション

シビアコンディションとはエンジンへ高い負荷が連続するような状態のことを指します。具体的にはアップダウンの激しい山岳道路での走行、通勤路などの慢性的なノロノロ運転、短時間の走行を頻繁に繰り返す、大人数で荷物を満載して走行する、サーキットでのスポーツ走行会でエンジンの高回転を維持する、といったことなどが挙げられます。

■シビアコンディションで走行している場合におすすめしている交換サイクル
3ヶ月ごと、もしくは走行距離2,500kmごとに交換
エンジンや車種によって異なる交換サイクル
搭載しているエンジンや車種によっても推奨されるエンジンオイルの交換サイクルが異なります。具体的にはターボエンジン搭載車は早めの交換がおすすめです。ターボエンジンは高温の排気ガスを再利用するためにエンジンやエンジンルームの温度が自然吸気(NA、ノンターボ)エンジンよりも上昇しやすい傾向にあります。高温環境下ではエンジンオイルの劣化も早く交換サイクルも早めにする必要があります。

■ターボエンジン搭載車におすすめしている交換サイクル
3ヶ月ごと、もしくは走行距離2,500kmごとに交換
車種については、軽自動車も早めに交換すべきです。軽自動車はエンジンの排気量が小さいためエンジンを高回転に保つことでパワーを稼いでいます。また車内スペースを広げるためにエンジンルームは小さく(狭く)なっています。

このためエンジンルーム内の温度が上がりやすく、軽自動車のエンジンオイルも劣化や消耗が激しくなりがちです。
交換を怠ると引き起こされるデメリット
エンジンオイルは一般的な走行条件はもちろん、シビアコンディションやエンジンの種類、車種に応じて適切なタイミングで交換しなければなりません。もしも交換を怠って消耗や劣化の激しいエンジンオイルを使い続けると、次のような症状やトラブルが発生しやすくなります。

・燃費が悪くなる
・アイドリングが安定しない
・騒音や振動が大きくなる
・エンジンの回転が吹け上がりにくくなる
・オイルの消費量が増える(減るのが早くなる)
・エンジンの寿命が短くなる
・エンジンが焼き付く

新車登録から1ヶ月でオイル交換は必要か?

エンジンオイルの交換サイクルは6ヶ月ごと、もしくは走行距離にして5,000kmごと。シビアコンディションや搭載するエンジン、車種によっては3ヶ月ごと、もしくは走行距離2,500kmごとが推奨であるとご紹介しました。

その一方で、新車登録から1ヶ月もしくは走行距離1,000kmでエンジンオイルを交換する必要はあるのでしょうか?ちなみに新車は1ヶ月もしくは走行距離1,000kmのタイミングで初回点検を受けることが一般的です。

実際のところ、かつては初回点検時にエンジンオイルなどの油脂類を交換するのはごく当たり前でした。ところが現在では一部の車種を除き、自動車メーカーや新車販売ディーラーは初回点検時のエンジンオイル交換を不要とするようになっています。

その理由は、エンジンの加工精度や組み付け精度が向上したことが挙げられます。精度が低かった時代は金属部品に馴染みがでるまでエンジンオイルに多量の鉄粉が含まれることが珍しくありませんでした。現在ではそのようなことがなくなったことを前提に、初回点検時のオイル交換は行わないようになっています。

しかし新車のエンジンオイル交換にメリットがなくなったとは言えません。加工精度や組み付け精度が向上したとはいえ、エンジンに馴染みがでるまで微細な金属粉がエンジンオイルに含まれることが珍しくないからです。

納車後1ヶ月にオイル交換をするメリットとデメリット
納車後1ヶ月および走行1,000kmでオイル交換をするメリットは、金属の微粒子などを含むエンジンオイルを交換することでエンジンが受けるダメージを最小限にとどめられることです。

初回点検に際してエンジンオイルを交換しなかったからといってただちにエンジンが壊れる原因にはなりませんが、長い目で見れば大切なエンジンの寿命を延ばすことにつながります。

一方、新車のエンジンオイルを交換するデメリットは交換費用がかかってしまうことです。リーズナブルにエンジンオイルを交換できれば新車のエンジンオイル交換のデメリットは解消されることになります。

新車登録から1ヶ月で実施したい正しいオイル交換

純正以上のグレードや品質のオイルを選ぶ

エンジンオイル交換の費用をできるだけ抑えたいとはいえ、エンジンオイルのグレードを下げるのは厳禁です。

最近の新型車は燃費を良くすることや、エンジンオイル交換の頻度を下げることを目的に、ロングライフかつ高性能なエンジンオイルを採用する傾向にあります。そのためエンジンオイルのグレードを下げることはエンジンの燃費性能や寿命に対して悪影響を及ぼしかねません。

新車のエンジンオイルは純正オイルと同等かそれ以上のグレード・品質のものを選ぶようにします。またエンジンオイルだけではなく、オイルフィルター(エレメント)も同時に交換します。

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まとめ

新車を購入されたドライバーの多くは長くグッドコンディションを維持しながら大切に車を乗り続けたいと思うはずです。同時に、納車から1ヶ月程度でエンジンオイルを交換するのはもったいないように感じられるかもしれませんが、エンジン本来の性能を正しく発揮させることができるのなら決して無駄とは言えません。

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