【ピットサービス紹介】ブレーキフルード交換

オートバックスの整備品質[No.016] ブレーキフルード交換
AUTOBACS GUYS(オートバックスガイズ)とは全国のオートバックスから選りすぐられたプロフェッショナルなメカニックたちの総称です。愛知県のオートバックスで二級整備士、自動車検査員を担う安井宏太郎が、ブレーキフルード交換にまつわるオートバックスの誇る整備品質について解説します。

カンタン予約・お店で待たない!

オイル交換をWEBで予約

ブレーキフルードとは?

ブレーキシステムの油圧を伝えるオイルです

 

「ブレーキフルードはブレーキを作動させるためのオイルです。ブレーキペダルを踏むと、ペダルの後ろにある注射器のような部品が油圧を発生します。この油圧を伝えるのがブレーキフルードの働きです」

ブレーキペダルを踏む力はアシストされつつ、マスターシリンダーでピストンを押し出して油圧に置き換えられます。マスターシリンダーから各タイヤに付いているブレーキまで、ブレーキラインと呼ばれる配管を通りブレーキフルードが油圧を伝える役割を担います。ハイブリッドカーなどペダルを踏む力が一旦は電気信号に置き換えられる車もあります。

ブレーキに欠かせないのがブレーキフルードです

 

「油圧がブレーキキャリパーに伝わると、ブレーキキャリパーの中のピストンがブレーキパッドを押し出して、ブレーキディスクを挟み込みます。このようにブレーキにとって、ブレーキフルードは欠かせないものです」

車のブレーキは油圧で作動させるものが一般的です。これはディスクブレーキに限らず、ドラムブレーキでも同じく油圧が利用されています。

ブレーキフルードは劣化しますか?

ブレーキフルードは空気を含むことで劣化します

 

「ブレーキフルードは徐々に空気中の水分を吸って劣化します。フルード中の水分が多くなると交換時期を迎えます。ただし、ブレーキフルードの劣化そのものはほぼ体感できません。乗っていてブレーキに違和感があると思ったら、それはブレーキフルードではなく、まずはブレーキシステムのトラブルが考えられます」

一般的な走行であればブレーキフルードの劣化に気づくことはほとんどないと言えますが、ブレーキフルードに含まれる水分が多くなるとブレーキフルードの沸点が低くなり、次に紹介するベーパーロック現象が起きやすくなります。

劣化するとベーパーロック現象が起きやすくなります

 

「ブレーキフルードの劣化が原因となるトラブルは、ブレーキフルードの沸点が下がることによって起きる『ベーパーロック現象』があります。山道や長い下り坂で、ブレーキペダルを踏み続けると、どうしてもブレーキが高温になってしまいます。この熱によってブレーキフルードの温度も上昇してしまいます。このとき、ブレーキフルードに水分が含まれていると、その水分が沸騰して、ブレーキラインの中で蒸発して、気泡になります。ブレーキペダルを踏むと、油圧で気泡が潰れるので、ペダルの踏み心地がフワフワした頼りないものになります。これがベーパーロック現象です」

ベーパーロック現象はペダルフィーリングが悪くなるだけでなく、著しく制動力が低下してブレーキが利かなくなることもあります。また、似たような症状を起こすものに「フェード現象」というものがあります。こちらはブレーキパッドが高温になって摩擦力が低下することによって引き起こされます。

交換の目安は?

交換の目安は2年、もしくは走行距離20,000kmごと

 

「交換の目安は2年もしくは走行距離20,000kmを推奨しています。自動車メーカーが指定するグレードをご利用いただきます」

車の使用方法によっても異なりますが、一般的な使い方であればブレーキフルードの交換サイクルは2年毎もしくは走行距離20,000km毎が目安になります。2年車検であれば車検のタイミングで交換するのがスマートです。

ブレーキフルードにはグレードがあります

 

「ブレーキフルードにはDOT3やDOT4、DOT5といった規格がございます。基本、DOT4が指定されていることがほとんどです。これらの違いは沸点の高さで、高温に耐えられることが高性能の目安になります。一部のスポーツカーなどで、サーキット走行される方には、DOT5をおすすめすることもあります。ただし、非常に劣化が早い、寿命が短いので注意が必要です」

DOT規格はアメリカ連邦自動車安全基準というもので定められていて、それぞれドライ沸点とウェット沸点の要求温度が異なります。

DOT3:ドライ沸点205度以上/ウェット沸点140度以上
DOT4:ドライ沸点230度以上/ウェット沸点155度以上
DOT5.1:ドライ沸点260度以上/ウェット沸点180度以上
DOT5:ドライ沸点260度以上/ウェット沸点180度以上

ドライ沸点とは新品で吸湿率が0%のときの沸点、ウエット沸点は吸湿率3.7%時の沸点で、およそ1~2年使用した状態を想定しています。

大まかな作業の流れは?

ブレーキフルードのリザーバータンクから抜き取ります

 

「ボンネットを開けて、ブレーキフルードの量や漏れなどをチェックします。専用チェンジャーを使って、エンジンルーム内のリザーバータンクから古いブレーキフルードを吸い出します。抜き終わったら、新しいブレーキフルードを専用器具を使って注入します」

ブレーキフルードはph値が7.0~11.5と、強いアルカリ性です。腐食性が高いので慎重に扱います。また、ハイブリッド車は整備モードに入れて作業します。

ブレーキラインの空気を抜きます

 

「次に、ブレーキラインに入っている空気をブレーキ側から抜きます。リザーバータンクから遠いところから作業するので、右ハンドルであれば左後ろのブレーキから始めます。次いで右後ろ、左前、右前といった順序です。最後にリザーバータンクのフルード量を確認したら、ダブルチェックの後、各部の清掃を行います」※車種によっては異なる場合があります。

ブレーキフルードで満たされたブレーキラインに空気が残っていることをエア噛みとも言います。空気が残っているとペダルを踏んでもふわふわとした頼りないフィーリングになるだけでなく、正しくブレーキが働きません。慎重な作業が求められます。

まとめ

作業の所要時間は約30分~が目安となります

 

「ブレーキフルード交換作業の所要時間は30分~をご案内しています。ただし、ハイブリッド車については1時間前後かかります。また、交換作業の工賃は税込4,400円~となっています。その他にも不安なことや、疑問点がございましたら、ぜひお近くのオートバックスまでお問い合わせください」

> お近くのオートバックスを検索する

オイル交換とはなにを指す?
オイル交換の『オイル』とは、一般的に自動車のエンジンオイルを指します。
種類は鉱物油・部分合成油・全合成油があります。
車種やエンジン特性、気候条件をはじめとする地理的な環境、使い方などによって、適合するエンジンオイル粘度が変わります。
安全で快適なカーライフのためには、最適なオイルを選ぶとともに、適切なタイミングで定期的に交換することが大切です。
オイル交換の頻度を多くするとどうなる?
エンジンオイル交換をやりすぎることによる問題は特にありません。
シビアコンディションと言われるエンジンに負担がかかるような状況が多い場合は、早めの交換がおすすめです。
ページトップへ