BMWが推奨するエンジンオイル BMWが推奨するエンジンオイル

BMWが推奨するエンジンオイル交換のタイミングは適切なのか?

BMWとはドイツ語で“バイエルン州のエンジン工場”を意味する「バイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケ(Bayerische Motoren Werke GmbH)」の頭文字を取ったものです。会社の起源がドイツ・バイエルン州にあることと、BMWが当初さまざまな用途に使われるエンジンを扱っていたことを示しています。

ルーツは、航空機エンジンを製造する「ラップ原動機製造所(Rapp-Motorenwerke GmbH)」が創業した1913年にまで遡ります。第一次世界大戦中、ラップ社はドイツ帝国空軍の納入業者でした(当時、自動車製造は産業としてまだ発展しておらず、人々の長距離移動には主に列車が使われていました)。1916年に社名を変更し、「バイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケ(Bayerische Motoren Werke GmbH)」になりました。

そういった出自からBMWはエンジンについて並々ならぬこだわりがあり、エンジンオイルの扱いについても独自路線を貫いています。ここではBMWのエンジンオイル交換について基礎知識をおさらいします。

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BMWのエンジンの特徴は?

BMWのエンジンはエンジンに使われているひとつひとつのパーツの加工精度が高いのに加え、緻密に組み立てられています。とは言え、BMWも慣らし運転を推奨しています。慣らし運転とはエンジン各部が摩擦によって金属同士の擦り合わせや噛み合わせがスムーズになるまではエンジンに高負荷をかけないように走ることです。

精度の高いBMWのエンジンも例外ではなく、最初の約2,000kmまではエンジンの回転を中速域以下に保ち、それ以降は徐々に回転数を上げるといった運転がベターとされています。その一方で、国産車の多くが推奨しているように、納車後の1,000kmや1ヵ月点検において初回のエンジンオイル交換は不要とされています。

またiシリーズなどを除いてBMWは全車、ガソリン、ディーゼルともにターボエンジンとなっており、小さな排気量ながら過給によってパワーを引き出しています。ターボエンジンはエンジンルーム内の発熱量が多くなりがちでエンジンオイルの負担も大きくなります。

BMWのエンジンオイル交換が必要な理由

「エンジンオイルが劣化すると、エンジンの性能が悪くなるだけでなくエンジンが壊れるなどの重大なトラブルの原因となります」とBMWも明言しています。

エンジンオイルの主な役割をおさらいすると、以下のようになります。

・潤滑作用:エンジン内部の金属部品の摩擦を減らし、摩耗を防ぎます。
・密閉作用:エンジンのシリンダーとピストンリングとの気密を保ちます。
・冷却作用:エンジンの発生する熱を吸収・放散することでエンジンの加熱を防ぎます。
・清浄作用:エンジン内部に発生したスラッジと呼ばれる燃えカスや煤(すす)などを取り込みます。
・防錆作用:金属表面に皮膜を形成してエンジン内部の錆発生を防ぎます。

上記に加えて、一般的にエンジンオイルの約2割が添加剤とも言われ、酸化防止、粘度指数向上剤、消泡剤などを含んでいます。こういった成分を加えることによってエンジンの性能を十分に発揮させつつ、同時にエンジンオイルそのものの性能が長く保たれるようにしています。

BMWの精緻なエンジンにはその性能に見合ったエンジンオイルと適切な周期でのエンジンオイル交換が必要になります。
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BMWに適したエンジンオイルとは?

BMWに適したエンジンオイルは、BMW純正エンジンオイルに加え、BMWに承認(アプルーブド)されたエンジンオイルがあります。

BMWの純正エンジンオイル
BMWが純正パーツとして販売している純正エンジンオイルです。この純正エンジンオイルには大きく分けて、スタンダード、プレミアム、Mシリーズ(自然吸気エンジン)の3つがあります。
スタンダードエンジンオイル
・ガソリンエンジン用のBMW Longlife-01(LL-01) 5W-30
低温時から高温時まで安定した性能を確保した、バランスのとれたスタンダードなエンジンオイルとしてラインナップされています。

・ディーゼルターボエンジン用のBMW Longlife-04(LL-04) 5W-30
信頼性を高めたディーゼルターボエンジン専用のエンジンオイルです。さまざまな環境下でも安定したエンジン保護性能を発揮する、とあります。
プレミアムエンジンオイル
・ガソリンエンジン用のBMW Longlife-01 FE 0W-30
環境性能と同時に省燃費性にも優れた、最新のガソリンターボエンジンに最適なエンジンオイルとされています。

・ディーゼルエンジン用のBMW Longlife-12 FE 0W-30
優れた省燃費性を実現する、最新のディーゼルターボエンジンに最適なエンジンオイルとなっています。
Mシリーズエンジンオイル
・ガソリンエンジン用のBMW 10W-60
BMW Mの超高回転型エンジンに最適なエンジン・オイルです。過酷なドライビング・コンディションにおいても優れたベアリング保護性を発揮します。2010年(当該年含む)以前に製造されたM5/M6/Z8ガソリン車、および2013年以前のM3ガソリン車に適しています。

BMW純正以外にもあるBMWが承認したエンジンオイル

BMW純正エンジンオイル以外にも、BMWが承認したエンジンオイルが選べます。

このエンジンオイルは、BMWをはじめとした欧州ブランドが集まって立ち上げたACEA(Association des Constructeurs Europeens d’Automobiles=欧州自動車工業会)規格に基づいたエンジンオイルのうち、さらに各ブランドがオイルメーカーの申請を受けたものについて独自にテスト、その性能が確かめられたものが承認オイルとなっています。BMWが承認したものがBMW承認オイルとなり、「LL-01」や「LL-04」といった表記がこれに該当します。

ちなみにエンジンオイルの規格には、オイルの粘度を示すのに「0W-30」といった表記が用いられるSAE(アメリカ自動車技術者協会)規格のほか、オイルの性能(グレード)を表す「SP」(API規格)や、API規格に省燃費性能を加えた「GF-6」(ILSAC規格)などがあります。

エンジンオイルの交換時期・タイミング

BMWのエンジンオイルはいつ、どのようなタイミングで交換すべきなのでしょうか。ここではBMWが推奨する交換時期に加え、オートバックスが推奨する交換時期をご紹介します。

BMWが推奨するエンジンオイルの交換時期

BMWのエンジンオイル交換は走行距離15,000kmごともしくは1年ごとが目安とされています。実際にはコンディションベースサービスと呼ばれる車載表示の警告に従って交換することが推奨されており、この警告は単に走行距離や時間だけではなく、積算した燃料の噴射量やエンジンオイルの油温などさまざまな情報に基づいたものです。

交換時期になると「OIL SERVICE(オイル・サービス)」や「INSPECTION(インスペクション)」の文字が表示されます。モデルによってはコンディションベースサービスではなくサービスインターバルインジケータが備わっており、メーターパネル内にエンジンオイル交換時期が表示される仕組みになっています。

日本の交通事情や気候はエンジンにとってシビアコンディション

BMWに限らず欧州車の多くはエンジンオイル交換のスパンが国産車などに比べて長くなっています。その理由のひとつは、欧州各国と日本との交通事情の違いがあります。

ドイツには全土に網の目のように張り巡らされた高速道であるアウトバーンがあり、交差点はランナバウト(信号を用いない環状交差点)も多く、フランクフルトなどの都市部を例外にすれば交通の流れがスムーズです。一方で日本は交通事情が大きく異なり、慢性的に渋滞が発生するエリアが多いため、低速走行に加えて頻繁なストップ&ゴーが強いられることになります。

また平均気温の違いもあります。ドイツの緯度は北海道よりも北に位置しており夏期の平均最高気温は24度前後(フランクフルト)ですが、高温多湿なエリアが多い日本では平均最高気温が35度前後(東京)になることもあります。

日本の交通事情や気候はエンジンにとってはシビアコンディションとなり、このことはエンジンオイルの負担も大きくその劣化が早まることにつながります。

もちろんBMWはグローバルなブランドです。欧州だけではなくアジアを含めさまざまな環境下で走ることを前提に開発されているのは当然ですが、その一方でエンジンオイルについては、交換時期を一概に定めるのではなく使用状況に基づいて適切に判断すべきとの考え方も一般的です。

オートバックスがオススメするエンジンオイルの交換時期

オートバックスではBMWをはじめとした欧州車、そして国産車に限らず、エンジンの状態を最適に保つため、早めのエンジンオイル交換をおすすめしています。

交換の目安は5,000kmごと、もしくは半年ごとです。

新車で購入したBMWの保証期間が過ぎた後も、グッドコンディションを維持しながら乗り続けたいドライバーの方には、早めのエンジンオイル交換を特におすすめします。
エンジンオイルフィルター交換は必要? 交換の頻度は?
エンジンオイルフィルターはエンジン内部に発生した金属粉やエンジンオイルが取り込んだスラッジと呼ばれる燃えカスや煤(すす)をろ過する役割があります。BMW承認のエンジンオイルなどを利用してメーカー推奨の走行距離や期間で交換するのであれば、エンジンオイル交換ごとにフィルターも交換するのがおすすめです。オートバックスでもエンジンオイル交換との同時交換及び年1回の交換を推奨しております。

どこでBMWのエンジンオイルを交換する?

BMW正規ディーラーでエンジンオイルを交換する
新車はもちろん中古車で購入したBMWも、当然ながら正規ディーラーにてエンジンオイルを交換することができます。正規ディーラーで購入した新車であれば、購入から3年間にわたりアフターサービスの一環としてBMWサービスインクルーシブと呼ばれるサービスパッケージが付帯しています(オプションで2年の延長が可能)。これにはエンジンオイル交換やエンジンオイルフィルター交換も含まれています。

ただしサービス期間内であれば無制限に何度もエンジンオイルを交換できるわけではなく、前述のコンディションベースサービスなどによって交換が指示されたタイミングや1年ごとの交換となります。また繰り返しになりますが、新車から1,000km走行後のエンジンオイル交換も無償サポートされていません。

オートバックスでエンジンオイルを交換する

オートバックスではBMWから承認を受けたエンジンオイルを取り揃えています。メーカー推奨通りに15,000kmごとや1年ごとのエンジンオイル交換で十分と考える方がいる一方で、日本におけるシビアなコンディション下では走行距離5,000kmごとや半年ごとにエンジンオイル交換を希望されるドライバーの方も少なくありません。

オートバックスであればメンテナンスオプションにご加入いただくことによって、よりリーズナブルにエンジンオイルを交換することができ、その分エンジンオイルの交換頻度を上げることも可能です。

BMWの高精度なエンジンコンディションをしっかり維持しながら、より長く大切に乗り続けたいドライバーにおすすめです。

エンジンオイル交換費用の目安

エンジンオイル交換にかかる費用はエンジンオイルの銘柄、使用量、工賃などによって異なります。エンジンオイルの使用量もモデルによって異なりますので、ここでは先代3シリーズ(F30系)の320i(B48B20A型エンジン搭載車)を例に試算します。

BMW正規ディーラーでエンジンオイルを交換した場合の費用の目安
・エンジンオイル:5~5.5L、16,000円前後
・オイルフィルター:3,000円前後
・交換工賃:4,500円前後
※交換の所要時間:30分〜

BMW正規ディーラーであっても店舗によって価格に違いがあるため目安です。
オートバックスでエンジンオイルを交換した場合の費用の目安
BMWのエンジンオイルを交換した後のリセット
BMWは車両がエンジンオイル交換を監視しているので、エンジンオイルを交換したらリセットする必要があります。このリセットはモデルによって実施方法が異なります。

3シリーズを例にとると、3代目のE36型ではリセットツールなどが必要でしたが、その後、メーターパネルのマニュアル操作でリセットできるようになっていました。現行モデルとなる7代目のG20型(や一部の先代F30型3シリーズ)ではマニュアル操作ではリセットできないようになっています。

エンジンオイル交換に際して、今お乗りのBMWのリセットへの対応の可否については最寄りのディーラーやお近くのオートバックスまでお問い合わせください。

まとめ

大切なBMWをより長く乗り続けたいと考えるのは当然ですが、一方で経済的な負担が大きくなるのは避けたいのも本音です。そのような背景からオートバックスをご利用されるBMWオーナーが年々増え続けています。BMWのエンジンオイル交換もご予約が可能です。

より良いBMWライフのためにぜひご活用ください。

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