｢クルマをいじるならこれがしたい！｣サスペンションの構造を理解しよう！

サスペンションには大別して3つの役割があります。快適な乗り心地を実現するために道路の凹凸をやわらげる緩衝装置の役割、安定走行のためタイヤをできるだけ地面に接地させ追従性を保つ役割、そしてクルマ全体を支える役割です。

サスペンションを交換する目的も役割と同じく大別して3つあります。以下では、それぞれの目的と交換することで得られるメリットをご紹介します。

1.車高を下げるため

標準の車高は、ロードクリアランスや安全性も考えて少し高めにセットされています。そのためフェンダーとタイヤの間に微妙な隙間がありますよね？　車高を下げれば、この隙間もなくなり、クルマ全体に一体感が生まれます。また重心が下がることで走行安定性も増し、コーナリング性能やグリップ性能を高めることができます。

2.キビキビとした走りを実現するため

サスペンションはコイルスプリングとショックアブソーバーという2つのパーツでできています。このコイルスプリングやショックアブソーバーの固さなどを変更することで、スポーティに味つけに仕上げられることもサスペンションチューンの醍醐味。セッティング次第で乗り心地を追求したり、走りと快適性を高めたり、いろいろ楽しめることもメリットでしょう。

◎ 3.快適な乗り心地を維持するため

サスペンションにはショックアブソーバーという部品があり、車体が安定するようにコントロールしています。しかし、長期間の使用によって内部のオイルが劣化し、衝撃が吸収できなくなったり、フワフワとした乗り心地になったりすることがあります。その際はサスペンションを交換することで乗り心地を蘇らせることができます。

足まわりを強化する場合、定番のメニューが車高調整式サスペンション（車高調）への交換です。好みの車高に調整できるのでスタイリングと走り、そして乗り心地をバランスさせることができる定番のパーツですよね！

車高を下げることでクルマの重心が下がり、走りの性能も大幅に向上します。スポーツカーはもちろん、全高が高くてふらつきやすいミニバンなどでも効果的！　また最近では減衰力調整機能という、ショックアブソーバーの調整機構を備えたモデルも多く、シーンに合わせて乗り心地を選べるようになっています。

車高調サスペンションの仕組みを知ろう

車高調にはスプリングの受け皿の位置を上下させることで車高を調整するネジ式と、ダンパーの全長を調整することで車高をコントロールする全長調整式の2種類があります。ネジ式は極端に車高を下げるとスプリングとアッパーマウントの間に隙間（遊び）ができてしまい、スプリングが機能しなくなり乗り心地や走行性能に悪影響が出ます。一方で全長調整式は車高を極端に下げてもスプリングとアッパーマウントの間に隙間ができません。こちらでは、車高調の基本的な構造についてご説明します。

1.アッパーマウント

クルマのボディに接する部分です。

2.スプリング

クルマの重量を支え、ショックを吸収する役目があります。

3.スプリングシート＆ロックシート

ネジ式タイプでは、スプリングシート＆ロックシートを上下させることで車高を調整します。

4.ショックアブソーバー

スプリングの上下運動を吸収する役目があります。また乗り心地にも直結します。

5.ブラケット

車体の下部と連結する部分です。全長調整式の場合は、このブラケットを上下することで車高を調整します。

メーカーやブランドによって各部の名称や機能が異なったりすることもありますが、一般的な車高調はこのような構成になっています。純正のサスペンションは、一部モデルを除いて車高の上げ下げが基本的にできませんが、車高調に交換すればセッティングの幅も広がります。

車高調を交換すれば足まわりを好みの味つけにできるので、ドライブも一層楽しくなるというもの。オートバックスのネットショップでは、各メーカーのサスペンションキットも購入できるので、ぜひご覧ください。「とにかく車高を下げたい」「走りを追求したい」「乗り心地をよくしたい」など、足まわりの強化で目指すものはさまざま。それを実現できるのがサスペンション交換や車高調というわけです。