ブレーキパッドなどブレーキにかかわる
車検に合格するための消耗・交換部品の目安と費用

車検のタイミングが近づくたび、車の維持費に頭を悩ませている方は少なくありません。車検の費用を可能な限り抑えたいと思うのは自然なことです。同時に、メンテナンス費用を惜しんだために、異音や不調に悩まされながら車に乗り続けることも避けたいものです。

そもそも車検の費用には法定費用と呼ばれる手数料や税金に加え、検査や点検整備のための技術料が必ず発生します。この二つについてはあらかじめ想定しておくことができる一方、交換部品代や工賃についてはお車のコンディションに大きく左右されます。

この記事では車検全体の費用を算段できるよう、ブレーキパッドを中心に安全運転に欠かせないブレーキにまつわる消耗部品について解説します。

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車検で交換が必要になる消耗品とは

まず、車検で消耗品の交換が必要になるのには2つのケースがあります。

ひとつは車検に合格させるための交換であり、もうひとつは法定点検の結果、部品の交換が必要、もしくは推奨される場合です。

車検に合格させるための部品交換
車検とは本来、お車の状態が安全面および環境面において国が定めている基準に合っているかを確認するための検査ですので、厳密に言えばパーツを一切交換しなくても基準さえクリアしていれば車検に合格します。

しかしながら実際には走行距離を重ねたり経年変化によってパーツの消耗や劣化は避けられないため、基準に合わせるためのパーツ交換が発生します。
法定点検による部品交換
法定点検はお車の安全が確保され環境に悪影響がないかを定期的に確認するもので、車の各部の状態や取り付けられた部品の消耗や劣化を点検して必要に応じて整備しなければならないものとして義務付けられています。

乗用車であれば12ヶ月点検のほか車検と同時に24ヶ月点検が実施されます。24ヶ月点検は各部を点検した結果として調整や注油だけで済む場合もあれば、部品交換が必要となるケースもあります。

なかでもブレーキパッドなどは安全性に直結する部品であり、使っているうちに消耗・劣化が避けられないパーツですので交換の見極めも大切です。

ブレーキパッドを交換する必要性と目安

ブレーキの役割と種類

ブレーキは車を止めるための仕組みであり車の部品の中でもっとも重要な部分のひとつです。ブレーキが正しく作動しなくなると、制動距離が伸びて事故の原因になりかねません。

車に使われているブレーキ形式には主にディスクブレーキとドラムブレーキの2つの形式があります。

現在はディスクブレーキが主流になっており、4輪すべてにディスクブレーキを採用している車が珍しくありません。一方でフロントはディスクブレーキ、リアはドラムブレーキと前後で使い分けている車もあります。また4輪ディスクブレーキの車であってもパーキングブレーキ(サイドブレーキ)にドラムブレーキを利用している車もあります。

交換部品となるブレーキパッドとブレーキシュー

ディスクブレーキは円盤状のブレーキディスクを摩擦部材であるブレーキパッドで両側から挟んで車輪を止めます。ドラムブレーキはブレーキドラムの内側に摩擦部材のブレーキシューがあり、これを押し広げることで摩擦を生み車輪を止めるようになっています。

ディスクブレーキは熱がこもりにくく雨天でも制動力が安定しています。一方、ドラムブレーキは頑丈で、大きく重い車にも向いています。

いずれのブレーキも主な消耗部品となるのが摩擦部材であるブレーキパッドとブレーキシューで、これらは消耗度合に応じて交換する必要があります。

ブレーキパッドの交換タイミングと目安

車検では制動力が正しく発揮されているかどうかを検査する項目はあるものの、ブレーキパッドの残量をチェックすることはありません。法定点検ではパッドの残り残量を確認して必要に応じて交換を判断することになります。

ブレーキパッドは新品であれば概ね10mm程度の厚さがありますが、これはブレーキパッドによって異なり、取り付ける車種によって厚みも異なります。走行距離が伸びるのに従って徐々にブレーキパッドがすり減り、残りの厚さが5mm以下になったところが交換の目安です。

5mm以下であれば法定点検でも交換をすすめられることになり、さらに残りの厚さが3mm以下であれば交換が必須となります。
ディスクブレーキの場合、タイヤを外すとブレーキキャリパーの隙間からブレーキパッドの厚さをチェックすることができますので、車検の見積もりの際に交換の有無をあらかじめ確かめることが可能です。

ブレーキパッドを交換するタイミングは車検だけではありません。多くのブレーキパッドにはパッドウェアインジケーターと呼ばれる一種のセンサーが付いています。このセンサーは金属プレートでできており、ブレーキパッドの磨耗が進むとプレートがブレーキディスクと干渉して甲高い音が鳴るようにできています。キーキーと不快な音ですのですぐに気付くことができます。このキーキー音が鳴った場合は車検の有無やタイミングを問わずすぐさま交換する必要があります。また車種によっては電気式のセンサーを採用しており、残量が少なくなると警告ランプで知らせてくれるようになっています。

ちなみにブレーキパッドの残量は十分あるにもかかわらずキーキーとブレーキが鳴る場合もありますが、これはブレーキパッド自体が制動時に共振することによって発生してしまうものです。このような異音が気になる場合はブレーキパッドの背面に専用のグリースなどを塗ることで解消できることがあります。
ブレーキシューの交換タイミングと目安
ドラムブレーキのブレーキシューは新品の状態で厚みが5mm程度あります。これが摩耗して残り1mm以下になると交換が必須ですが、そうなる前に交換しておくことをおすすめします。ドラムブレーキはブレーキシューの厚みを点検するには点検窓から覗くか点検窓がない車種ではブレーキドラムを取り外す必要があります。
ブレーキパッドの交換を自分でするかお店に任せるか
重要保安部品と呼ばれる車を安全に走行させるのに大切な部分については、その分解や整備を任せられるのは国の認証を受けた整備工場に限られています。ただし車の使用者がご自身の車を分解整備するのに資格や認証は求められずDIYでブレーキパッドを交換することも違法ではありません。しかし、ブレーキは先に述べたように重要保安部品のひとつです。適切な知識と技術、工具がないと思わぬトラブルや事故を招く可能性は排除できませんので、車検はもちろんのことブレーキパッドやブレーキシューの交換は信頼のおける認証工場に依頼することを強くおすすめします。

走行距離とブレーキパッド交換時期の相関関係

ブレーキパッドの交換時期は走行距離にして30,000km~50,000kmが目安とされていますが、走行条件によって異なるのが実情です。

ストップ&ゴーの多い市街地を走ることが多いのか、郊外の信号の少ないエリアを走ることが多いのか、このような違いによってブレーキパッドの減り方が異なるからです。

またエンジンブレーキを使えるマニュアルトランスミッション車に比べてオートマチックトランスミッション車は減速をブレーキだけに頼らざるをえないためやはり消耗が早い傾向にあります。さらには車種によっても異なります。大きくて重いSUVでは消耗が激しく、回生ブレーキを備えるハイブリッド車ではブレーキの消耗が抑えられることもあります。このようなことからブレーキパッド交換のタイミングは走行距離を目安にしつつも、実際の残量を点検することがとても大切です。

もうひとつブレーキパッドの消耗を計る目安としてブレーキフルードの量があります。ブレーキパッドが減るとブレーキパッドをブレーキディスクに押し付けるピストンの位置が変化するので、その分だけブレーキフルードが減ったように見えます。ブレーキフルードのリザーバータンクを見てオイルレベルが下がっているようならブレーキパッドが消耗している可能性があります。

ブレーキパッドを交換しないで走行した場合の不具合
ブレーキパッドが消耗して交換時期を迎えているにもかかわらず走行を続けると制動距離が伸びて危険です。

同時にブレーキパッドの摩擦材がなくなりブレーキパッドのバックプレートがブレーキディスクに直接干渉するようになります。この状態でブレーキをかけるとブレーキディスクそのものが削られて激しく消耗します。

適切な時期に整備すればブレーキパッドの交換だけで済んだはずのものが、ブレーキディスクの交換も必要になるケースもあります。

ブレーキパッドやブレーキシューなどの交換費用

軽自動車やSUVなど車種によってパーツ価格が異なる

ブレーキパッドは車種によって交換費用が異なります。その理由はブレーキは車種に合わせてサイズが異なるからです。

ブレーキディスクの大きさは軽自動車であれば13インチ前後のホイールに収まるコンパクトなものですし、高級セダンやSUVでは大きなものになると20インチのホイールにようやく収まるといった大径のものもあります。

軽自動車であれば部品代としてフロントとリアそれぞれ1セットで税込7,700円~が目安。普通乗用車であれば税込8,800円~あたりが目安になります。高性能な大径ディスクブレーキになるとブレーキパッドはより高額です。

ブレーキパッド交換費用を抑える方法

ブレーキパッドは自動車メーカー純正部品の他にもお乗りの車種に適合するように設計された純正以外の部品も手に入ります。これを社外品やアフターパーツなどと呼んだりします。社外品は純正部品に比べると安価なことが一般的ですので、こういった製品を選ぶことで交換費用を抑えることが可能です。

もちろんブレーキパッドは信頼のおける製品を選ばなくてはなりません。オートバックスの店頭などでお気軽にご相談ください。

オートバックスのブレーキパッド交換メニューでは、ブレーキパッド交換だけを行う場合は1ヶ所(1輪)につき工賃が税込5,500円~となります。交換にかかる所要時間の目安は約30分~となります。
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ブレーキディスクやブレーキフルードも必要に応じて交換する

ブレーキパッドやブレーキシューほどではないにしても、ブレーキディスクやブレーキドラムも走行距離が伸びるに従って磨耗します。

24ヶ月点検などではブレーキパッドの磨耗やディスクとブレーキパッドのすき間の点検に加えて、ブレーキディスクの磨耗や損傷も点検しなければなりません。またブレーキは油圧式であり、ブレーキフルード(ブレーキオイル)と呼ばれる専用の液体を利用しています。このブレーキフルードは水分を含むと沸点に達しやすくなり、ブレーキ本来の制動力を発揮する妨げとなります。

ブレーキフルードは約2年が交換の目安と言われているので、車検・24ヶ月点検と同時の交換をおすすめします。
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消耗部品の交換もオートバックス車検がお得

納得の価格で車検が受けられる

オートバックス車検ならブレーキパッドだけでなく、タイヤ、バッテリーといった消耗部品の交換も車検と同時に実施できるので、お得にリフレッシュすることができます。
車検の見積もりができる
オートバックス車検では車検の前に見積もりを受けることができます。見積もりによって交換部品がどの程度発生するのか目処が立ちますので、車検費用全体の概算を知ることができます。
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まとめ

ブレーキパッドやブレーキシューは消耗品であり使用の限界が訪れる前に交換しなければなりません。車検ではトラブル防止のために早めの交換をおすすめしています。

交換部品代は車種によって異なるものの社外品などを上手に選択することでコストを抑えることができ、また車検のタイミングで交換すれば無駄な工賃の発生も避けられます。ブレーキパッドだけでなくブレーキディスクやブレーキフルードといった部品やオイルも消耗品です。

オートバックスでは豊富な知識を備えた経験豊かなメカニックがお車の状態をもとに交換の是非やタイミングについて適切なアドバイスをご提供いたしますので、ぜひオートバックス車検をご利用ください。

「車検」と「点検・整備」の違いは?
車検とは安全・環境基準への適合を一定期間ごとに国が検査するものです。一方、点検・整備とは自動車ユーザー(自動車ユーザーから依頼した自動車整備取扱業者を含む)が必要な時(12ヶ月点検等)に自動車を点検し、その結果に応じて必要な整備を行うことをいいます。 なお、道路運送車両法では、日常点検および定期点検の実施が自動車ユーザーに義務づけられていることもお忘れなく。車検のみならず、点検・整備も自動車ユーザーの義務なのです。
どうして車検が必要なの?
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