スタッドレスタイヤのままでも車検は通る?疑問を解決!
ここ数年、車の平均車齢も平均使用年数も伸びており、車の買い替えよりも継続して車検を選ぶ方が増えています。長く乗り続けるにはメンテナンスが大切になるものの、車検などの維持費はできるだけ上手に抑えたいというのが正直なところではないでしょうか。
車検の費用は交換するパーツによって変動するため、たくさんのお問い合わせを頂戴します。冬季を挟んで多いのは「スタッドレスタイヤのままでも車検に通るの?」というご質問。
結論から申し上げると「車検にはパスしますが留意すべきポイントもあります」ということになります。それに関連して、この記事では車検に通るタイヤと通らないタイヤについて解説いたします。
スタッドレスタイヤのままでも車検に通る
スタッドレスタイヤを履いているからといって車検にパスしないことはありません。積雪シーズンに車検の時期を迎えるのであればスタッドレスタイヤを履いたまま車検を受けることができます。ただしスタッドレスタイヤやサマータイヤを問わず、車検に通すには安全上の条件を満たしていなければなりません。
車検に通るタイヤと通らないタイヤの違い
スタッドレスタイヤであってもサマータイヤであっても車検に通すためには以下の条件を満たす必要があります。
残り溝の深さが1.6mm以上ある
車検にパスするためには車が安全に走行できるようにタイヤの溝が十分に残っていなければなりません。
残り溝の深さは1.6mm以上と法律で定められており、これ以上あれば保安基準に適合しているので車検に通すことができます。この溝の深さはスタッドレスタイヤもサマータイヤもスリップサインで確認できます。
車検のタイミングとは関係なくこのスリップサインが現れたまま公道を走行すると、整備不良と判断され道路運送車両法に抵触してしまいます。
- 極端に偏摩耗していない
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タイヤの内側だけ、外側だけ、あるいはセンター部分だけなど、一部に摩耗が偏っている状態を偏摩耗といいます。また片減りと呼ばれることもあります。著しく偏摩耗していることによって、直進安定性が悪化してサイドスリップ検査に引っかかる可能性があります。このようなケースでは車検にパスしません。
- ひびやキズなどの有無
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ひびやキズなど走行に支障があると思われるような劣化がタイヤにみられる場合も車検にはパスしないことがあるので注意が必要です。
- パンクしている
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当然ですが、タイヤがパンクしていても車検に通すことはできません。タイヤは適正な空気圧を保っていることが大前提であり、パンクしていては安全に走行することができません。
スタッドレスタイヤの寿命のチェック方法
スタッドレスタイヤには2つの寿命があります。ひとつは冬用タイヤとしての寿命で、もうひとつはタイヤとしての寿命です。冬用タイヤとしての寿命はプラットホームで確認し、タイヤとしての寿命はスリップサインで確認します。
スリップサインとプラットホームの違い
スリップサイン
スリップサインはタイヤとして保安基準を満たしているかどうかを判断するものです。タイヤの側面であるサイドウォールに▲印のエンボスを見つけることができます。その位置のトレッド面にスリップサインが設けられており、ここがトレッドの山の高さと同じになると使用限界であり、このときの溝の深さが1.6mmです。
プラットホーム
スタッドレスタイヤは摩耗して溝の高さが半分になると氷雪路での性能が著しく低下します。この時点で冬タイヤとして使用することはできません。スリップサインと同様、スタッドレスタイヤのサイドウォールには↑印などでプラットホームの位置が示されています。
このプラットホームがトレッドの山の高さと同じになって露出すると、冬タイヤとしての寿命が尽きたことを意味します。そこからさらに摩耗が進んで溝の深さが1.6mmになるまでは公道を走行しても保安基準に抵触しません。法律上は車検に通る状態です。
スタッドレスタイヤの使用期限は約3〜4年が目安
スタッドレスタイヤの性能はトレッドゴムの柔軟性にも大きく依存しています。ゴム製品は紫外線などを浴びることで劣化が進んでしまいます。これはスタッドレスタイヤも例外ではなく、ゴムは劣化すると硬化してしまうので氷雪路などで路面をとらえる性能が低下してしまいます。仮にトレッドの溝の深さが十分に残っている場合であっても、新品から3〜4シーズンを経過したスタッドレスタイヤは交換を検討することをおすすめします。
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スタッドレスタイヤの寿命に迷ったら車検見積もり時にチェック
スタッドレスタイヤの寿命は使用年数やプラットホームによってドライバーご自身でセルフチェックすることが可能です。一方、少しでも不安に感じられるようでしたら、一度プロの目で確かめてもらうことをおすすめいたします。
特に車検前であれば、そのままのタイヤでパスするのか、それとも交換が必要になるのか把握しておきたいところです。
オートバックスでは車検に際しては事前のお見積もりをうけたまわっておりますので、スタッドレスタイヤについても摩耗や劣化の進行はもちろん、外からでは見えない部分の傷までしっかりと状態を確認させていただきます。お気軽にご相談ください。
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夏期もスタッドレスタイヤを履き続けるデメリット
スタッドレスタイヤのままでも車検にパスすること、またプラットホームが露出していて冬タイヤとしての性能が失われても、残り溝が1.6mmになるまでは公道を走行することができることはお伝えしました。ここで気をつけたいのは、スタッドレスタイヤを夏期に使用することのデメリットについてです。
一般的なサマータイヤと比べると次のような危険性があり、スタッドレスタイヤの通年利用がおすすめできない理由になっています。
- 制動距離が長くてイザというときに止まらない
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スタッドレスタイヤは氷雪路での走行安定性に優れている反面、サマータイヤに比べると運動性能に劣ります。なかでも気をつけなければならないのは、夏タイヤに比べるとフルブレーキングにおける制動距離が長いこと。しかもドライ路面だけではなく、ウェット路面でも顕著です。
万一、予期せぬ状況でフルブレーキングしたとき、サマータイヤならなんとか危険を回避して止まれたケースでもスタッドレスタイヤを履いていたばっかりに事故に発展してしまうということもありえます。
ハイドロプレーニング現象が起きやすい
スタッドレスタイヤは氷雪路に強いためウェット路面にも強いイメージがありますが、実際はウェット路面が苦手です。雨の高速道路ではハイドロプレーニング現象が起きやすいので、一般的なサマータイヤより一層の注意を払って運転する必要があります。
スタッドレスタイヤの寿命を伸ばす方法
スタッドレスタイヤは正しく扱うことで本来の寿命を全うさせることができます。トレッドのゴムが摩耗や劣化しやすいだけに、次のような点に気をつけましょう。
- 定期的にタイヤローテーションを行う
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一般的にタイヤは装着されている場所によって摩耗の進み具合が異なります。例えばFF(前輪駆動)の車ではフロントタイヤが舵取りと駆動の両方を担うのでリアタイヤよりもトレッドゴムの摩耗が早くなります。フロントだけ消耗してしまうのを避けるためフロントとリアのタイヤを入れ替えるのがローテーションです。
厳密に言うと、フロントタイヤは直進安定性のためにアライメントが内向きになっているので、左右輪で消耗するトレッド部分が異なります。このためFFではただ単に前後輪を入れ替えるだけでなく、右前輪→左後輪、左前輪→右後輪といったようにクロスさせてローテーションするのが一般的です。
こまめに空気圧をチェックする
タイヤの空気圧が適正に保たれていないと偏摩耗の原因になります。スタッドレスタイヤにおいても空気圧をこまめにチェックすることでこれを防ぐことができます。
- 適切に保管する
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夏期に出番のないスタッドレスタイヤはその期間中は保管しておくことになります。保管は直射日光の当たらない暗所で風通しの良いところを選びます。このようにすることでゴムの劣化を防ぐことができます。
まだある車検前にチェックしておきたいタイヤの豆知識
スタッドレスタイヤ以外にも、車検前に注意しておきたいポイントがあります。
- スペアタイヤを装着している場合は?
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最近はスペアタイヤを搭載せずに、パンク修理キットを備える車種が増えています。以前はテンパータイヤと呼ばれる緊急用のスペアタイヤを積んでいる車が珍しくありませんでした。テンパータイヤは省スペースや軽量化のために標準タイヤよりも細いサイズになっています。
このテンパータイヤを装着したままでは車検に通すことができません。ちなみに一部のSUVなどに採用される、標準タイヤと同じサイズのスペアタイヤであればこの限りではありません。
前後で違うタイヤを履いている場合は?
前後で違う銘柄のタイヤを履いている場合、またフロントにスタッドレスを、リアにサマータイヤを履いているといった場合も、車検に通らない原因にはなりません。
- 純正サイズ以外のタイヤを履いている場合は?
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ホイールのインチアップなど、標準タイヤと同一のサイズを履いていないことが車検に通らない原因にはなりません。一方、タイヤの外径が異なることでスピードメーターの誤差を生んだり車側に干渉していたり、またホイールがフェンダーから外にはみ出していると車検に通らないことになります。
車検を前に少しでも不安を感じられたら、お気軽に最寄りのオートバックスまでご相談ください。知識の豊富なスタッフが適切にアドバイスいたします。
まとめ
結論、スタッドレスタイヤのままでも車検には通ります。しかしながら、必要に応じて夏タイヤに戻したり、新しいタイヤに履き替えることがより安心・安全に走行させるために不可欠です。また一台の車に長く乗り続ける上で適切なメンテナンスも欠かせません。
オートバックスはお客様の快適なカーライフを全力でサポートいたします。お客様の来店をスタッフ一同、心よりお待ちしております。
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