「白ナンバー」の車両もアルコールチェック義務化の対象に

アルコールチェックの義務化が進められた背景には、2021年6月千葉県八街市で下校中に小学生が飲酒運転のトラックにはねられて児童5人が死傷した事故があります。

児童をはねたトラックは白ナンバーであったため、運転前のアルコールチェックは義務化されていませんでした。この事故をきっかけに白ナンバーを一定数保有する事業者にもアルコールチェックの義務化が推し進められました。

警察庁は、「白ナンバー」事業者に対するアルコールチェッカーを使った飲酒チェックを2023年12月1日より義務化することを正式に発表しました。 この発表により、社用車で使われている「白ナンバー」の車を規定台数以上保有している事業者は義務化の対象となります。

アルコールチェッカーで酒気帯びの有無を確認し、正常に検知するアルコールチェッカーを保持することが求められています。 また、測定したアルコールチェッカーの記録を1年間保存する必要があります。

アルコールチェッカーを使った飲酒チェックが義務化される条件は、「定員11名以上の白ナンバーを1台以上」もしくは「白ナンバー車両を5台以上」使用している企業が対象です。

また、オートバイは0.5台としてカウントし、1事業所あたりの合計台数で考えます。例えば、幼稚園送迎バス、スクールバスなど保有している事業所や社用車を5台以上保有している企業などが当てはまります。

また、アルコールチェック義務化の対象企業は安全運転管理者を選定しなければなりません。安全運転管理者は「運転者の適性等の把握」「運行計画の作成」「交代運転者の配備」「異常気象等の措置」「点呼と日常点検」「酒気帯び有無の確認」 「酒気帯び有無の確認の記録・保存」「運転日誌の備付け」「安全運転指導」の業務を行わなければなりません。

今回の法改正で義務化の対象となる企業も多いため、法改正前にアルコールチェッカーの準備と社内のオペレーションを確認しておくことが大切です。

対象企業はどのようなアルコールチェッカーを準備すればよいのでしょうか。国家公安委員会が定めるものは「呼気を測定できる機能」「酒気帯びの有無又はその濃度を警告音・警告灯・数値等で示す機能」の2つを要件として定めています。

通常販売されているものであればこの2つの要件を満たしますので、準備するハードルは高くありません。またアルコールチェッカーのセンサーには寿命があり、購入後1年〜1年半または、測定回数が1000回〜5000回を超えると交換が必要になるケースが多いです。

あらかじめセンサーの寿命が長く、交換可能なものを選ぶことがおすすめで

アルコールチェッカーで測定した酒気帯びの有無の記録は1年間保存されなければいけません。記録内容は「確認者名」「運転者名」「運転者の業務にかかる自動車登録番号または識別できる記号、番号等」「確認日時」「確認方法」「酒気帯びの有無」「管理者からの指示事項」「その他必要事項」の8つが必須項目になります。

記録簿を保存していない場合罰則があるので、保存は必ず行いましょう。また測定したデータはクラウド管理する方が、手間なく簡単に保存が行えます。