車の整備シーン 車の整備シーン

車検の費用にまつわる疑問を解消!内訳から相場までお得に節約する方法を解説

どうすれば車検の費用を上手に抑えることができるのでしょうか? 多くのドライバーにとってこれは切実な悩みです。税金などの法定費用を別にすれば、車検基本料金や整備のための費用はお店によって大きく異なるのが実情です。そのため、車検のコストを下げるには、なによりもお店選びが大切と言えます。また、車検の内訳や相場を正しく理解し、必要な整備とそうでないものをジャッジすることも重要です。ここでは車検にまつわる費用の内訳や相場、お得に節約する方法などについて解説します。

カンタン予約・お店で待たない!

車検・見積もりをWEBで予約

そもそも車検とは何のためにある?

車の点検確認

車検には2つの目的がある

そもそも、どうして車検を受けなくてはいけないのでしょうか。車検の目的のひとつは車が安全に走れる状態にあるのか確認することです。公道を走るには道路運送車両の保安基準を満たしている必要があり、車検はこの基準を満たしているかどうかをチェックするための制度です。もうひとつは所有者や使用者を明確にすることであり、行政からすれば課税対象を明確にするといった役割もあります。
車検と整備は異なるもの
車検は厳密に言えば検査でしかありませんので、極論を言えば保安基準(合格基準)を満たしてさえいれば検査にはパスします。それとは別に、法定点検の存在があります。車は12ヶ月点検や24ヶ月点検の実施が義務付けられており、点検内容に照らし合わせて各部を調整したり部品を交換するといった整備が発生します。この法定点検のタイミングが検査と重なることから、一般に「車検」と言えば、便宜上、検査と法定点検のことをまとめて指すようになっています。

ひとつのわかりやすい例として、車検にまつわるブレーキのお話をします。車検では制動力(ブレーキの効き)が十分なのか、不足しているのかを検査しても、ブレーキパッドの減り具合まではチェックしません。一方、法定点検ではブレーキパッドの残量をチェックして、必要に応じて部品を交換します。一般的に検査と法定点検は同時に行われるため両者は同一視されがちですが、検査と法定点検の違いを知ることは車検費用を上手に抑えるためのポイントになります。

車検のタイミングとは?

車検には有効期限があり、新車登録から数えて以下のようになっています。

自家用乗用自動車(5ナンバー、3ナンバー)=初回3年、2回目以降2年毎
自家用貨物自動車(4ナンバー)=初回2年、2回目以降1年毎
軽自動車(5ナンバー)=初回3年、2回目以降2年毎
軽自動車(4ナンバー)=初回2年、2回目以降2年毎

車検の有効期限を調べる方法

車検証で調べる
車に備えつけられている自動車検査証(車検証)で確認できます。車検証の「有効期間の満了する日」に年月日が記載されています。
車検シール

ステッカー(検査標章)で調べる

フロントウィンドウに貼られている検査標章で確かめられます。このステッカーの表面には自動車検査証(車検証)の有効期限が満了する年月が表記されています。車内から見える裏面には有効期限の満了する年月日まで確かめられます。

車検を受けるのに用意するもの

自動車検査証(車検証)
車のグローブボックスなどに収納されている車検証を用意しておきます。万一、紛失してしまった場合は再発行の手続きを行います。手続きは、使用の本拠地を管轄する運輸支局もしくは自動車検査登録事務所などで受け付けています。また、軽自動車は各地の軽自動車検査協会の事務所・支所となります。運輸支局などは土・日・祝日がお休みなので、平日に時間が取れない方は車検を行なっているお店、もしくは行政書士に代行を依頼できます。
自賠責保険証明書(自賠責保険証)
自賠責保険は強制保険とも呼ばれ、車を運転するときは加入とその保険証の携行が義務付けられています。継続車検を受けるにあたって新たに自賠責保険に加入することになりますが、これまで契約していた保険証を用意しておくと手続きがよりスムーズになります。
納税証明書(継続検査等用)
車検を受けるには自動車税を納税しておく必要があります。自動車税を納税すると自動車納税証明書(継続車検用)が発行されます。自動車税は毎年収める必要があり、その税額はエンジンの排気量などによって定められています。自動車税は消費税が10%にアップされたタイミングで引下げられており、2019年(平成31年)9月30日以前に登録された車と、2019年(平成31年)10月1日以降に登録された車では税額が異なります。自家用軽自動車については一律であり、2015年(平成27年)3月1日以前に新車登録されている場合は7,200円、2015年(平成27年)4月1日以降に新車登録されている場合は10,800円となっています。

●3・5ナンバー自動車税税額表(総排気量に基づく/自家用/標準税率:年額)

総排気量 2019年9月30日以前 2019年10月1日以降
1L以下 29,500円 25,000円
1L超〜1.5L以下 34,500円 30,500円
1.5L超〜2.0L以下 39,500円 36,000円
2.0L超〜2.5L以下 45,500円 43,500円
2.5L超〜3.0L以下 51,000円 50,000円
3.0L超〜3.5L以下 58,000円 57,000円
3.5L超〜4.0L以下 66,500円 66,500円
4.0L超〜4.5L以下 76,500円 75,500円
4.5L超〜6.0L以下 88,000円 87,000円
6.0L超〜 111,000円 110,000円

●4ナンバー自動車税税額表(最大積載量にもとづく/貨物用/標準税率:年額)

最大積載量 税額
1t以下 8,000円
1t超〜2t以下 11,500円
2t超〜3t以下 16,000円
3t超〜4t以下 20,500円
4t超〜5t以下 25,500円
5t超〜6t以下 30,000円
6t超〜7t以下 35,000円
7t超〜8t以下 40,500円

8t以上は1t増えるごとにさらに6,300円が加算されます。

車検費用の内訳と相場

電卓を打つ手
車検に通すのに必要となる費用には大きく分けて「法定費用」と「車検基本料」の二つがあります。法定費用については使用の本拠によって一部に異なる部分はあるものの、基本的にはどこのお店に出しても同じですので、工夫によって倹約できる余地はほぼありません。一方、車検基本料金についてはカー用品店、カーディーラー、ガソリンスタンド、車検専門店など、お店によって料金設定が異なります。
法定費用
法定費用には「自賠責保険料」「自動車重量税」「法定手数料」の3つがあります。車検を受ける上で必須の費用となります。
●自賠責保険料
自賠責保険料は毎年見直されています。2021年(令和3年)については平均6.7%ほど引き下げられており、車種別の24ヶ月(2年契約)の保険料は以下のようになっています。

・離島以外の地域

車種 保険料
自家用乗用自動車(3・5ナンバー) 17,650円
自家用小型貨物自動車(4ナンバー) 20,340円
自家用軽自動車 17,540円

・沖縄県(離島地域を除く)

車種 保険料
自家用乗用自動車(3・5ナンバー) 9,960円
自家用小型貨物自動車(4ナンバー) 11,120円
自家用軽自動車 9,960円

損害保険料率算出機構調べ

●自動車重量税
・自動車重量税の例
新車登録から数えて2回目の継続車検の車で、車両重量が1.6tの場合は年額が16,400円です(0.5tあたり金額4,100円の4倍)。これを2年分まとめて支払うことになるので32,800円となります。
●法定手数料
法定手数料とは検査や車検証の発行にかかる手数料であり、国に収めるものです。1,100円〜1,800円程度が必要になります。
車の整備シーン

車検基本料金

法律で定められている、点検や検査を実施するための費用です。また、24ヶ月および12ヶ月定期点検といった法定点検の費用なども含まれることが一般的になっています。一方で検査代行手数料や申請代行料などといった項目が別途請求される場合もあります。車検の基本料金に明確な決まりはなくお店によって内容も異なりますので、車検基本料金に何が含まれているのか、車検に出す前に必ずチェックするようにしましょう。

車検基本料金はカー用品店、ディーラー、自動車整備工場、ガソリンスタンド、車検専門店などお店によって異なるのに加え、車種によっても価格設定が異なります。目安としては10,000円〜70,000円と幅広く、軽自動車は低くて、輸入車は高い傾向にあります。

この車検基本料金は点検と検査に必要な費用であるものの、整備にまつわる工賃や交換した部品代などは含まれていないことに注意しましょう。10,000円〜70,000円と幅広く、軽自動車は低くて、輸入車は高い傾向にあります。
車の整備シーン

交換部品代や作業工賃といった整備費用

車検時に消耗部品を交換すると部品代や作業工賃が加算されますので、車検の費用は上記の基本料金に加えこの部品代や工賃によって大きく左右されることになります。言い換えれば、この費用次第で車検代はリーズナブルにもなり、逆に想定していた予算をオーバーしてしまうことにもなります。

もっとも、車検にお金をかけるのは決して悪いことばかりではありません。むやみに予算を削ってしまい車検を受けたばかりなのにトラブルに遭ったという話は珍しくありません。そこで注目したいのが、車検にともなう整備には必要整備と予防整備のふたつがあるということ。このふたつを切り分けることによって車検の費用を効率的に抑えることができます。

必要整備と予防整備とは

同じように車検に出しても検査にパスさせるだけというのと、安心・安全なカーライフのために手厚く整備するのとでは、整備費用はまったく異なってきます。前者に必須なのが車検に通すために最低限必要な整備=必要整備であり、後者に求められるのが安全性維持のためにおススメする整備=予防整備になります。
車の整備シーン

必要整備は保安基準を満たすのが目的

車検の検査項目には主に次のようなものがあります。
・直進安定性などを確かめるサイドスリップ検査
・速度計の正確さをチェックするスピード検査
・十分な制動力が確保されているかを診るブレーキ検査
・環境性能が確保されているか確認する排ガス検査
・オイル漏れや足まわりに緩みがないかチェックする下廻り検査
・ヘッドライトが正しい方向を向いているかを確かめる光軸検査
・ウインカーやホーンの作動を確かめる検査
これらの項目すべてにおいて正常であれば保安基準を満たしていることになるので車検にパスします。正常でなければ調整したり部品を交換したりといった整備が必要になります。これが必要整備です。言い換えれば、これを実施しないで車検を通すことはできません。
車の整備シーン

予防整備はトラブル防止や安全ドライブのため

必要整備に対して、実施しなかったとしても車検に通るのが予防整備です。予防整備の目的は次の車検までの2年などの期間を見据え、安全かつ安心して車に乗り続けられるようにするものです。車検の費用はこの予防整備をどの程度まで実施するのかによって違いが生まれます。車検の費用を安く抑えることを最優先するのであれば一切着手しないのも選択肢ですが、車検時に見送ったとしても結局のところすぐに整備が必要になりそうなものについては実施してしまうのも賢明といえます。バランスよく実施内容を吟味することで、よりスマートかつリーズナブルに車検費用を抑えることができます。
車の整備シーン

予防整備として検討すべき交換部品や整備

●エンジンオイル・フィルター交換

エンジンオイルやフィルターは定期的に交換の必要があるものの、エンジンオイルやフィルターの汚れと車検にパスするかどうかには関係がありませんので、仮にエンジンオイルを交換してからまだ1,000kmも走っていない、といったケースでは交換を見送るのが賢明です。一方、間もなく交換の時期を迎えるようなら車検の機会に交換しておくのは合理的と言えます。
●タイヤ交換
タイヤは残り溝が1.6mm以上残っていないと車検にパスしません。スリップサインが出ているのなら必要整備としてタイヤを交換することになります。一方、1.6mm以上残っていても間もなく寿命を迎えそうであれば予防整備として交換を検討すべきです。
●バッテリー交換
バッテリーの寿命は平均して2〜3年と言われています。寿命の目安はエンジンの始動が遅かったり、ヘッドライトが暗くなったり、パワーウィンドウの昇降が遅いといった症状から判断できることがあります。バッテリーの平均的な寿命と車検のサイクルが重なるため、予防整備として実施されるケースが少なくありません。現状では不具合がなくても、ドライブ先で突然バッテリーが上がってしまうといったことを避けたい場合は交換をおすすめします。
●エアフィルター交換
エンジンの吸気にゴミなどが入らないようにするエアフィルター(エアエレメント)は定期的な交換が必要です。交換の目安は4年もしくは30,000kmごとです。前回の車検で交換している場合は使い続けることができますが、あまりにも汚れが酷い場合はエンジンの出力が落ちたり燃費が悪くなるので早めの交換がベターです。
●エアコンフィルター交換
エアコンフィルターはメーカーや製品によって推奨される交換時期が異なりますが、1年もしくは12,000kmごとの交換が目安になります。多機能タイプでは花粉やアレルギー物質を取り除くほか消臭効果も期待できますので、車検のタイミングで交換するのがベターです。匂いに敏感なドライバーの方であれば、フィルター交換と同時にエアコンの除菌消臭施工も検討したいところです。
●ワイパーゴム交換
ワイパーゴムの交換サイクル目安は約6ヶ月ごとです。劣化したワイパーは柔軟性が失われ払拭性能が著しく低下します。雨の日に雨筋が残るのは不快なだけでなく安全面でも好ましくありません。消耗部品の中では部品代が比較的安価なパーツですので車検ごとの交換がメリット大です。
●スパークプラグ交換
スパークプラグは消耗品です。電極の材質によって交換のタイミングはかなり異なりますが、一般的には20,000kmごとが目安になります。車検のタイミングでこの走行距離に達している場合は交換がおすすめです。
クーラント交換

●クーラント交換

エンジンの冷却水であるクーラントは、2年または40,000kmごとの交換が目安になります。交換しないで放っておくとラジエター内部に錆が発生しやすくなるといったデメリットがあります。定期的な交換がおすすめですが、気をつけたいのはロングライフタイプであれば4年または80,000kmごとの交換が推奨されていることです。どのようなタイプのクーラントを使用したか記録しておくと不要な交換を避けられるので車検の費用を抑えることにもつながります。
ブレーキパッド交換

●ブレーキパッド交換

車検では制動力の検査が行われるものの、ブレーキパッドの残量はチェックされません。ただし厚みの残りが2mm〜4mmにまで減っていれば交換時期です。安全面に直結するので残量が少なくなっている場合は車検時の交換をおすすめします。

節約方法

車検には費用を上手に抑えるための方法があります。可能なものから実践して出費を減らせば、よりカーライフを充実させることができます。
接客シーン

車検の見積もりを取る

必要整備にいくらかかるのか、予防整備にどれくらいの予算をかけるのか。その判断基準になるのが車検の見積もりです。予防整備の内容を理解して車検時に実施したほうがベターなものとそうでないものをチェックすることは無駄な出費を抑えることにつながります。 ただ、見積もりだけ取る場合、費用が発生する場合もあるので注意が必要です。
オートバックスでは、スムーズなご案内の為に概算見積もりでの即入庫を承っております。作業内容に関しては、お客様の普段の乗り方などから最適な内容をご提案し、お客様と一緒に内容決定をしておりますので、ご安心ください。
メンテナンスノート(点検整備記録簿)を提出する
過去の12ヶ月点検や24ヶ月点検などの内容がわかる点検整備記録簿を用意しておきましょう。車検を通すのに必須ではありませんが、担当スタッフが過去の整備履歴を把握できると、今回の予防整備に有効なものと無駄なものが判断しやすくなります。
車検の期日を忘れない
車検は期日の1ヶ月前から実施できます。早く予約しておくことで費用の割引を実施している場合もあり、予約もスムーズに入れておくことができます。うっかり車検の期日を超えてしまうとお店まで運ぶためのレッカー費用が必要になったり仮ナンバーを取得する手間や費用が発生してしまいます。
補償が充実している車検を選ぶ
オートバックスでは、車検を実施していただいた会員様に、オイル交換工賃をはじめ、4つのメンテナンスメニューの基本工賃が無料になるメンテナンスオプションが付帯します。基本車検料金が同じであったとしても、こういった付帯サービスの存在でよりお得に車検を受けられることになります。
駐車の補助作業

代車・引き取り納車サービスのないお店を選ぶ

車が生活必需品になっているドライバーにとって、車検で車を預けなければいけない場合、代車の存在はとてもありがたいものです。とはいえ代車の費用は車検費用に含まれていると考えるドライバーも多く、言い換えれば、代車の必要がないドライバーにとっては代車が用意されているのに利用しないのなら余計な費用を支払っているということになります。同じことは引き取り納車サービスにも言えます。ご自身で車を持ち込み乗って帰るのであれば、こういったサービスを省略しているお店を選ぶことも一案です。

よくある疑問点

車検費用のクレジットカード払いは可能ですか?
車検基本料金や必要費用、予防整備の費用、部品代などについてはクレジットカードを可能としているお店がほとんどです。オートバックスの店頭でもクレジットカード・電子マネーの利用が可能なのに加え、上記費用に対してTポイントも付与されるのでお得です。一方、法定費用(自賠責保険・自動車重量税・法定手数料)などについては現金払いが原則となっています。
ローンなど分割払いは可能ですか?
オートバックスでは法定費用以外の部分について分割払いが可能なショッピングローンを用意しています。詳しくは店頭にてご相談ください。
オートバックスアプリ画面

車検の予約は可能ですか?

車検予約は可能です。ただし車検予約を受け付けていないお店もあります。事前にwebにて最寄りの店舗が予約サービスを実施しているのかご確認をお願いします。オートバックスでは公式サイトやスマホのアプリから24時間365日いつでも予約できるようになっています。

まとめ

車検の内訳や相場を知ることは、どういった内容の整備が適切なのかを正しく判断できることにつながります。ただ車検を安く抑えるために本来なら必要となる整備まで省いてしまっては安全面で不安が残りますし、不要なトラブルを招くことにもなりかねません。費用をかけるところは適正にかけつつ無駄なく車検をクリアしたいところです。オートバックスではお見積もりの段階からお客様に寄り添った車検のプランをご提案いたします。ぜひご相談ください。

車検の予約はできる?
車検をオートバックスのようなカー用品店に頼むメリットは?
ページトップへ