エンジンを適温で働かせるための隠れた主役たち(サーモスタット)
エンジンの不要な熱を冷却水を循環させて大気中に逃がすラジエーターと、その冷却水を適温にコントロールするサーモスタット。 協力◎(株)デンソー (株)日本サーモスタット
外気温との温度差を利用して放熱するラジエーター、冷却水温で作動するサーモスタット
冷却水は上から下へと流れる。白っぽいところがアルミ製のコアで、上下のタンクは樹脂製だ。
現在のほとんどのクルマはエンジンの冷却方法に水冷式を採用している。これはエンジン内部にウォータージャケットと呼ばれる水の通路を設けてポンプで冷却水を循環させ、エンジンを冷やす方式のこと。別の方式としては空冷式、油冷式などがあるがメリットが少なく主流にはなっていない(空冷式はポルシェやオートバイ、油冷式は一部オートバイなどに採用)。今回はその水冷式の冷却系統のパーツであるラジエターとサーモスタットを解説しよう。
エンジンルームを開けるとほとんどのクルマで最前部近くに細かくフィンのついた上の写真のような部品がついているはず。これがラジエターで、エンジン内部で熱を吸収し高温になった冷却水を上部(アッパータンク)から取り入れ、銀色の部分(コア)で上から下へと流して、コアのフィンの間を通過する外気に熱を逃がし、熱湯を冷やす。冷やされた冷却水はコアの下の黒い部分(ロワータンク) から取り出されて再びエンジンへと向かう構造になっている(一部高性能車には横流れ式のものもある)。材質は最近のラジエーターは軽量化のため上下のタンクは樹脂、コア部分はアルミでつくられているものが多くなっている。また、AT車ではロワータンク内にATFを冷やすオイルクーラーを内蔵しているものも多い。
サーモスタットの構造図
 昔段は見えないサーモスタットがこれ。点検方法はバルブに糸などを挟んで水中につるして、火にかけながら温度を測り、バルブが開いて糸から落ちる温度を見る。温度調節のカギを握る重要な部品だ。
では、実際にエンジンをかけて走っているとき、冷却水の温度はどうやってコントロールされているのだろうか。そのカギを握っているのがサーモスタットで、上の写真のような外観でエンジンの内部の冷却水通路に取り付けられている。左上のイラストはその構造図で、温度が上がるとワックスエレメントが膨張し、ピストンが伸びてバルブを開けるという作動をする。このサーモスタットが故障するとオーバーヒートやオーバークールといった症状がでる。
冷却系統にはこのほかにもウォーターポンプやヒーターコア、ヒーターコックといった部品があり、エンジン内部も隅々まで通路があるので、冷却水の点検を怠ってトラブルを起こすと時間と費用がかさむことも多い。オーバーヒートなどはひどいとエンジンを歪ませてしまうこともある。冷却水には水道水ではなくLLCを使用し(専用の補充液もある)、点検はまめに行いたいものだ。
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